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エリアス・カネッティ『群衆と権力』の軌跡

群衆論の系譜と戯曲集を手がかりに

著:樋口 恵

紙版

内容紹介

「ナチズムは、単にヒトラー個人の問題にとどまらない。何故ならば、支配者、あるいは権力者がその権力を確立するためには、必ずその権力を正統と認める「多数者」、もしくは群衆をまきこまなければならないからである」

目次

序 論
第一章  群衆論の系譜
1 ニーチェ『善悪の彼岸』(1886)
2 ギュスターヴ・ル・ボン『群衆心理』(1895)
3 ガブリエル・タルド『世論と群衆』(1901)
4 ジ-クムント・フロイト『集団心理学と自我分析』(1921)
5 ホセ・オルテガ・イ・ガセット『大衆の反逆』(1929)
6 群衆論のその後――ヴィルヘルム・ライヒとエーリヒ・フロム
7 群衆論の系譜における『群衆と権力』の位置づけ
第二章 『結婚式』――世界の表象としての「家」
     1 「音響上の仮面」と「共通言語」
     2 「生き残ること」の権力
     3 権力闘争の場「家」
     4 世界の崩壊
第三章 『虚栄の喜劇』――鏡像のひずみ
     1 焚書に対する回答
     2 自己像の破壊
     3 Wir‐Gehühl
     4 群衆形式における聴覚的効果
     5 鏡像のひずみ
第四章 『猶予された者たち』――死との闘い
     1 Tod とSterben
     2 暴力の抑止と監視の働き
     3 「変身の禁止」からの解放
     4 「生き残ること」の克服
第四章 『群衆と権力』――「非科学性」の射程
     1 文化人類学への接近と心理学の否定
     2 詩的直観――ニーチェ、フロイト、カネッティ
     3 反科学

結び
あとがき

ISBN:9784771033825
出版社:晃洋書房
判型:A5
ページ数:246ページ
定価:3900円(本体)
発行年月日:2020年07月
発売日:2020年07月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JHB