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素粒子の探究で宇宙がみえてくる

波場センセイのとっておき50話

著:波場 直之

紙版

内容紹介

山陰中央新報に2016年4月から150回にわたって連載した「素粒子から宇宙へ 島根大・波場センセイの教室」を待望の単行本化。

モノを小さく砕いていくとどこまで細かくできるのか。万物の源である「素粒子」を探るうちに、なぜか大きな宇宙へ話はつながります。そんな不思議な素粒子の世界を、波場センセイが短い50話で紹介します。

話のテーマは幅広く、原子をつくる素粒子、物理の発展の歴史や、一度は耳にしたことのあるヒッグス粒子やニュートリノ、インフレーション宇宙論や重力の話、そして南部陽一郎先生との出会い、物理学者としての気合いまで。すこし専門的に感じるテーマも、波場センセイの軽快な口調で物理の楽しさを引き出す説明に。また、いつの間にか素粒子に親しみをもってしまう、ほのぼのしたイラストもご覧あれ。

身近なことが最先端科学につながっていることを感じられ、クールな「物理」の印象をがらっと変える一冊です。

目次

まえがき

1話 「素粒子」って何?
2話 ごくごく小さい波で「見る」
3話 原子って何?/118種の最小単位「ボール」
 ★コラム:本との出合い/人生変えたファインマンの本
 ★コラム:宿題は必要なのかな?
4話 原子核の発見/世界は三つのものからできている
5話 原子の大きさ、原子核の大きさ
6話 大いなる矛盾/反発するのに閉じ込める
7話 中間子って何?/まったく別の新しい粒子
8話 質量が違えば別の粒子
9話 クォークとレプトンの内部構造
10話 反物質は時間を逆行する「物質」?
11話 反物質の世界は宇宙のかなたにあるのか?
12話 質量をエネルギーに変える
13話 超新星爆発が重い元素をつくる
 ★コラム:猫、見事な着地を決める!
 ★コラム:中性子星からの謎のパルス
14話 ニュートリノと宇宙
15話 左巻きのニュートリノ/物質ばかりの宇宙を解く鍵かも
16話 水タンクのニュートリノ検出器
17話 特殊相対性理論
18話 「時間の遅れ」で長生きに
19話 人によって見える世界が違う
20話 誰から見ても変わらない量
21話 一般相対性理論/加速度(重力)考慮し再構築
22話 時間もゆがむブラックホール
23話 光のルートを 曲げる重力レンズ
24話 星の進化/ブラックホール
 ★コラム:アカデミックな素粒子物理学
25話 付け加えられた斥力・宇宙項/アインシュタインの後悔
26話 ビッグバン、38万年後に「晴れ上がり」
27話 ビックバン理論の問題点
28話 インフレーション宇宙/どんな粒子が引き起こしたか
29話 モノポール/単独のN極、S極は現れない?
30話 量子力学/“ミクロ”の世界を記述する
31話 量子力学/「理解」できなくてもよい
32話 量子力学/「粒子」であり「波」でもある
33話 場の量子論はミクロから宇宙まで記述する
34話 量子力学がマクロ世界に現れる超流動と超伝導
35話 力って何?
36話 ゲージ理論/ため息が出るほど美しい
37話 重力は量子力学になれるか?
38話 南部理論とヒッグス粒子/「自発的対称性の破れ」とは
39話 南部理論とヒッグス粒子/超電導を相対性理論で考える
 ★コラム:あまりにも偉大な存在と業績 /人として、研究者として理想
40話 大統一理論/陽子崩壊を見つければ証明
41話 超ひも理論/9次元あれば重力も統一 /重力は余分な次元に広がる?
42話 標準模型/実験と矛盾ないが謎も多く
 ★コラム:科学者の姿勢/バイアスを避け謙虚に
43話 本質の追究/より多くを説明できる
44話 物理と数学/互いに影響し合う密な関係
45話 物理と数学/詳細無視し生まれた幾何学
46話 物理と数学/美しく深遠な素数の世界
47話 フィボナッチ数列が自然界に
48話 1次元でも2次元でもない
49話 量子コンピューター
50話 人工知能/宇宙の真理を解明できるか
 ★コラム:ファインマン/最も成功した科学理論を構築

あとがき

ISBN:9784621305157
出版社:丸善出版
判型:4-6
ページ数:222ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2020年06月
発売日:2020年06月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PDZ
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:PHM