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戦後日本政治の総括

著:田原 総一朗

紙版

内容紹介

数多くの疑惑と問題、新型コロナウイルス対応の迷走……なぜ日本の政治はこうなってしまったのか。この国の希望はどこにあるのか。田中角栄、中曽根康弘、小泉純一郎、安倍晋三をはじめ昭和〜令和の大物政治家たちと直接対峙してきた稀代のジャーナリストが、戦後の総括とともに再生への展望を描き出す。

目次

 はじめに

第1章 大人たちの変節
 街の灯に解放を感じた
 権威への反発の原点
 再び大人たちの変節
 戦後の逆流の中で
 レッドパージへの憤り
 岸首相への反発が生んだ安保闘争
 デモ隊の渦中で迎えた六月一五日

第2章 思想的展開と逡巡
 テレビの世界へ
 真っ青になった学生たち
 ソ連で体験した幻滅
 吉田茂と安保条約
 吉田茂の戦後日本の構想
 安保改定の前史
 ジラード事件

第3章 宮澤喜一と竹下登の軍隊観
 宮澤喜一という人物
 自分の身体に合わせた服
 竹下登の安全保障観
 戦えない軍隊でいいのか
 憲法と自衛隊の緊張関係

第4章 特異の政治家 田中角栄
 面白い政治家・田中角栄
 田中の政治ビジョン――都市政策大綱
 角栄の政治家としての特異な能力
 なぜ田中への期待は急速に失われたのか
 失脚にアメリカの影

第5章 「風見鶏」 中曽根の政治哲学
 内閣は仕事――中曽根の政治哲学
 防衛問題に真っ向から取り組む
 ソ連中距離核ミサイル撤去の流れをつくる
 田中角栄続投を支える人々
 自身が振り返る痛い失敗
 憲法改正を断念させた日米経済摩擦

第6章 竹下・宮澤の興隆と衰退
 田中角栄へのクーデター
 間接税導入へ突き進む
 竹下内閣崩壊――リクルート事件
 自衛隊海外派遣のきっかけ
 繫げなかった政治改革法案
 「バブルは虚の繁栄」を否定した人々
 立ち消えた公的資金投入計画

第7章 乱世の仕掛け人 小沢一郎
 「失われた一〇年」、大蔵官僚の責任
 対談で見せた宮澤の決意
 細川連立政権の誕生
 小選挙区比例代表制導入で見せた小沢の手腕
 小沢の政治手法への反発
 連立政権の分裂と羽田内閣の終焉
 内密で動いた小沢の「海部推し」
 自社さ政権・村山内閣の誕生

第8章 橋本龍太郎の「変革と創造」
 「痛みを伴う改革」に真っ向挑む
 橋本退陣へのレール
 小渕内閣が見せた外交手腕
 悲運に消えた森喜朗内閣

第9章 小泉純一郎 「改革」への信念
 「自民党をぶっ壊す」
 小泉純一郎という人間
 「痛みを伴う構造改革」の推進
 靖国神社参拝を決行
 アフガン・イラク戦争での対米協力
 郵政民営化への信念
 電撃訪朝の舞台裏
 安倍晋三に託して引退

第10章 自民党政権の凋落 安倍・福田・麻生
 安倍首相就任直後の訪中の裏側
 年金問題などに追われ、辞任
 拉致問題解決への意欲を見せた福田首相
 中国との信頼関係へ
 大連立構想の挫折と辞任
 低い支持率で発足した麻生内閣
 リーマン・ショックの直撃
 自民党の歴史的大敗と民主党の大躍進

第11章 民主党政権への期待、そして失墜
 小沢一郎民主党代表の実行力
 小沢の首相就任を阻止するために
 普天間移設をめぐる鳩山政権のつまずき
 民主党政権崩壊の要因
 検察の小沢への執念
 東日本大震災と菅政権
 野田政権発足と「社会保障と税の一体改革」
 突然の解散と民主党政権の終焉

第12章 安倍政権の「集団的自衛権」への執念
 首相に返り咲いた安倍
 日米同盟強化と集団的自衛権
 憲法の制約
 アベノミクスの始動
 「法の番人」を交代
 秘密保護法のスピード可決
 集団的自衛権をめぐる公明党との協議
 「砂川判決」をめぐって
 公明党が受け入れた条件
 公明党は「歯止め」になったのか

第13章 安倍一強体制と政治の変質
 安保法制強行採決後も選挙に圧勝
 「憲法改正の必要はなくなった」
 森友・加計疑惑の勃発と「共謀罪」強行採決
 「希望の党」の失速で再び追い風
 「偽り」が発覚しても支持率は下がらず
 一強多弱がもたらした政治の変質

 おわりに

 謝 辞

ISBN:9784000614108
出版社:岩波書店
判型:4-6
ページ数:258ページ
定価:1900円(本体)
発行年月日:2020年06月
発売日:2020年06月08日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ