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ベルリン・オリンピック反対運動

フィリップ・ノエル=ベーカーの闘いをたどる

著:青沼 裕之

紙版

内容紹介

ナチスが大々的に関与して国際政治の抗争の場になった1936年のベルリン・オリンピックに対して、イギリスは反対運動を展開した。イギリス労働者スポーツ協会やノエル=ベーカーらに焦点を当てて、彼らの理念や抱えた矛盾も踏まえて反対運動の内実を照らす。

目次

序 章 なぜベルリン・オリンピック反対運動を研究するのか
 1 国家プロジェクトとしてのオリンピックとパラリンピック
 2 ベルリン・オリンピック研究の蓄積
 3 本書の課題

第1章 イギリスのベルリン・オリンピック反対運動
 1 国際的なベルリン・オリンピック反対運動の開始
 2 イギリスのベルリン・オリンピック反対運動の起点
 3 イギリス・ドイツ対抗フットボール・マッチへの反対とベルリン・オリンピック・ボイコットの提案
 4 赤色スポーツインター国際協議会(プラハ)へのイギリス代表参加
 5 国際フェアプレー委員会パリ国際会議へのイギリス代表参加
 6 バルセロナ人民オリンピアードへの参加準備とスペイン内戦による中止
 7 その後の祭典とスペイン支援

第2章 ノエル=ベーカーによるオリンピック憲章擁護の闘い
 1 ノエル=ベーカーによる最初の問い合わせ(一九三三年五月)
 2 ノエル=ベーカーとハロルド・エイブラハムズの往復書簡
 3 ノエル=ベーカーへの反対運動援助の要請
 4 ノエル=ベーカーが投書を「タイムズ」に公表しなかった理由
 5 エイブラハムズの主張とイギリス・オリンピック協議会の決定
 6 ノエル=ベーカーの二通の投書
 7 「マンチェスター・ガーディアン」に掲載されたモンタギューの論説
 8 ノエル=ベーカーの投書に対する国内外の反響
 9 一九三六年前半のベルリン・オリンピック参加をめぐる動向
 10 ノエル=ベーカーの決断の歴史的意義

補 論 ノエル=ベーカー文書に収められた亡命者によるナチ・スポーツ情報
 1 亡命ドイツ人の活動とナチ・スポーツ情報の発信
 2 亡命者によるナチ・スポーツ情報の要点と特徴
 3 ノエル=ベーカーの論述の論拠となった亡命者によるナチ・スポーツ情報

第3章 ウォルター・シトリーンのナチ・スポーツ独裁批判
 1 イギリス・ドイツ対抗フットボール・マッチとシトリーン
 2 シトリーンのパンフレット『ヒトラーの支配下に』
 3 国際フェアプレー委員会とシトリーン
 4 バルセロナ人民オリンピアードとシトリーン
 5 国際労働運動の指導者としてのシトリーンの判断

終 章 イギリスのベルリン・オリンピック反対運動の思想と行動

主要参考文献

あとがき

著者略歴

著:青沼 裕之
1958年、長野県生まれ。武蔵野美術大学教授。専攻はイギリススポーツ史。著書に『イギリス労働者スポーツ運動史――一九二三―五八年』(青弓社)、共著に『体育・スポーツの近現代――歴史からの問いかけ』(不昧堂出版)、『幻の東京オリンピックとその時代――戦時期のスポーツ・都市・身体』(青弓社)など。

ISBN:9784787220899
出版社:青弓社
判型:4-6
ページ数:224ページ
定価:2600円(本体)
発行年月日:2020年05月
発売日:2020年05月25日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:SC