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岩波新書 新赤版 1835

紫外線の社会史

見えざる光が照らす日本

著:金 凡性

紙版

内容紹介

人類は見えざるモノに期待をかけ、また恐怖と不安を覚えてきた。誰もが浴びる紫外線は人間の生活を豊かにもまた損ないもする。紫外線への着目は、近代以降の日本の社会観、健康観、美容観、環境観の変遷を覗き見る上で有効であり、ジェンダーや人種に関する言説までをも浮き彫りにする。見えざるモノを主人公にした異色の科学史。

目次

序 章 見えないモノの歴史

第1章 紫外線ブームの時代へ
 一 未知の光線に対する期待と不安
 二 ビタミンDに至る二つの道
 三 紫外線ブームの到来

第2章 「人工太陽」のテクノロジー
 一 紫外線ランプの誕生
 二 紫外線の産業応用
 三 紫外線をさえぎる〈現代文明〉

第3章 紫外線が映し出す世相
 一 〈太陽に近い〉生活
 二 紫外線とジェンダー・階級・人種
 三 紫外線を動員せよ

第4章 戦後における紫外線
 一 求められ続ける光線
 二 健康・環境への見えざる敵
 三 太陽を避ける時代へ

終 章 紫外線と人間・技術・文明

あとがき
参考文献

ISBN:9784004318354
出版社:岩波書店
判型:新書
ページ数:188ページ
定価:800円(本体)
発行年月日:2020年05月
発売日:2020年05月22日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PDZ