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ダーウィン『種の起源』を漫画で読む

文:チャールズ・ダーウィン
編・文:マイケル・ケラー
絵:ニコル・レージャー・フラー

紙版

内容紹介

誰もが知る名著『種の起源』。本書はオールカラーでそのマンガ化に挑んだ作品である。特筆すべきは、ダーウィンの原文を忠実に引用しながら、原典に登場するハトやキリン、鳥、ミツバチなどの生物にまるで「図鑑」を見るような繊細なタッチのイラストをつけていること。それによって難解で読みにくいと言われる『種の起源』がエッセイを読むような味わいに成功している。



それに加え、原典の出版の前後に何が起きたのかを、ダーウィンと当時の科学者たちとの書簡を引用しながら解説。さらに『種の起源』の刊行をきっかけにして、その後、進化生物学がどのように発展してきたかを年表とマンガ形式で簡単にわかるような工夫も凝らしている。今に続く進化生物学の起点に『種の起源』が立っているからこそ、この本は現在にいたるまで世界に大きな影響を与え続けているのだとわかる仕組みだ。



監修に当たった佐倉統さんの解説文はこのように締められている。



 本編第2部の終わりに、『種の起源』の最後の一節を書き終えたダーウィンが、大きく伸びをして屋外に出て自然を満喫する場面がある。この一節は、人類がものした文章のうちでも最も美しいもののひとつだとぼくは思うのだが、このコマにはその雰囲気がとても良く、しかし控えめに描かれている。すばらしい絵だと思う。

「この生命観は壮大なものである。(中略)重力の普遍の法則に従ってこの惑星が回転している間に単純なものから始まり、極めて美しく素晴らしい生物が際限なく生まれ、進化してきたが、今もなおそれは続いているのである」

 そう、それは、ダーウィンが『種の起源』を出版してから161年経った今でも、そしてこれからも続いていく。そしてみなさんひとりひとりも、このプロセスの中の一員なのである。

目次

第1部 進化論の誕生 

第2部 種の起源 
 
 第1章 飼育栽培種における変異 
 第2章 自然界での変異 
 第3章 生存競争 
 第4章 自然選択、あるいは適者生存 
 第5章 変異の法則 
 第6、7章 学説の問題と様々な異論  
 第8章 本能 
 第9章 雑種形成 
 第10章 地質学的記録の不完全さについて 
 第11章 生物の地理的分布について 
 第12、13章 地理的分布 
 第14章 生物相互の類縁性、形態、発生、痕跡器官 
 第15章 要約と結論 

第3部 おわりに 

解説◉『種の起源』とは何か/佐倉統 

著者略歴

文:チャールズ・ダーウィン
イングランド西部のシュルーズベリー生まれ。エディンバラ大学で医学を学んだのち、ケンブリッジ大学に転学。卒業後、英国海軍の帆船ビーグル号に乗り込み、4年半にわたって世界各地をめぐり、ガラパゴス諸島での調査などに従事。帰国後は在野の自然史学者として研究を重ね、1859年に『種の起源』を出版。他の著書に『ビーグル号航海記』『人間の由来』『ミミズと土』など。

ISBN:9784900963894
出版社:いそっぷ社
判型:A5
ページ数:192ページ
定価:1600円(本体)
発行年月日:2020年05月
発売日:2020年06月01日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PDZ
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:PSAK