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米国の冷戦終結外交

ジョージ・H・W・ブッシュ政権とドイツ統一

著:志田 淳二郎

紙版

内容紹介

本書には,冷戦を崩壊させる引き金となり,20世紀のおそらく最もドラマチックな歴史的事件として記憶されるドイツ統一に,ジョージ・H・W・ブッシュ政権がどのようにふるまったかについての物語が描かれている。いま,国際秩序は様々な要因が複合的に絡み合いながら再編されようとしている。国際秩序の動揺期に国家がとるべき外交・安全保障政策を構想することは決して容易ではない。歴史の中にそのヒントを探究することも本書の目的の一つであるが,我が国,日本の外交・安全保障政策の構想にも,本書が,ほんのささやかながらの貢献ができるとすれば,筆者にとってこれに過ぎる喜びはない。(「まえがき」より)

目次

序 章 ジョージ・H・W・ブッシュ政権のドイツ統一政策  問題の所在/研究の視点/本書の課題、資料、構成
第1章 歴史的背景  二度の世界大戦の終結/冷戦と米欧関係の展開/レーガン政権期の冷戦
第2章 ブッシュ政権の始動  ブッシュ新政権の陣容と課題/ゴルバチョフの〈新思考外交〉/ブッシュ政権の外交政策方針
第3章 西側同盟と軍縮の間  INF全廃条約後の欧州安全保障/SNF近代化をめぐる同盟内政治/CFE交渉への米国のアプローチ
第4章 ヤルタからマルタへ   東欧の脱共産主義化/ベルリンの壁の崩壊/米ソマルタ首脳会談
第5章 在欧米軍駐留継続の方針  ブッシュ政権の欧州情勢認識/大西洋主義下の米欧関係維持/ブッシュ政権の一般教書演説
第6章 「2プラス4」という解  「10項目提案」とその余波/「重要なのは東西ドイツだ」/米国の「2プラス4」交渉方針
第7章 ドイツ統一問題の決着  在欧SNF配備問題/NATO再定義問題/ドイツ統一、ソ連解体、冷戦終結
終 章 国際秩序の再編と米国外交  要約―ブッシュ政権はいかにドイツ統一に対応したか/評価―選択的関与政策としての米国のドイツ統一政策/教訓―我々は歴史から何を学ぶか

著者略歴

著:志田 淳二郎
1991年茨城県日立市生まれ。2013年中央大学法学部卒業後、2018年中央ヨーロッパ大学(ハンガリー・ブダペスト)政治学部修士課程修了(MA in Political Science)、2019年中央大学大学院法学研究科博士後期課程修了。博士(政治学)。中央大学法学部助教、笹川平和財団米国(ワシントンDC)客員準研究員を経て、現在、東京福祉大学留学生教育センター特任講師。小田滋賞奨励賞(国際法学会)受賞(2014年)。

ISBN:9784842055794
出版社:有信堂高文社
判型:A5
ページ数:304ページ
定価:6300円(本体)
発行年月日:2020年05月
発売日:2020年06月03日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JPS