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その悩み、エピクテトスなら、こう言うね。

著:山本 貴光
著:吉川 浩満

紙版

内容紹介

仕事、進路、人間関係……尽きない悩みも、みるみる氷解。古代の賢人エピクテトスの教えをアップデートした、現代人のための、人生哲学の書!1900年ほど昔に奴隷の子として生まれ、やがて解放され、哲学の教師になるという、数奇な人生を送ったエピクテトス。その言行録『人生談義』でエピクテトスは、弟子や来訪者から寄せられた数々の人生相談に、的確な答えを繰り出していく。悩める現代人にも十分通用するその教えを、とことん分かりやすく解説。不安なく前向きに生きるための知の技法がするする頭に入る、類例のない一冊!《エピクテトスの考え方を試してみると、煩わされなくてもよい悩みを結構解消できるのです。いま抱えている悩みの全体が10だとしたら、そのうち何割かは軽くなるかもしれません。特に処世を得意とするわけではない(むしろとっても不得意な)著者たちが、なんとかかんとか正気を保ってやってこれたのは、大袈裟でなしにエピクテトス先生のおかげだったりします。》――「はじめに」より◎エピクテトスとは?紀元1~2世紀、ローマ帝政時代のローマやギリシアで活動した哲学者。皇帝ネロの重臣の奴隷だったが、やがて解放されて哲学の教師に。エピクテトスの発言を弟子たちが書きとめて出来上がったのが、『人生談義』。ローマ皇帝マルクス・アウレリウスをはじめ、パスカル、夏目漱石らも愛読したという。

目次

【目 次】はじめにプロローグ 人生の教師エピクテトス――元祖・自己啓発哲学者パスカル、漱石をとりこにした古代の賢人/どんな自己啓発書にも負けない賢人の知恵第1章 悩みのカタログ『人生談義』の世界――「なんで私が打ち首に? 」書かなかった人/スティーヴン・セガールばりの切れ味/理不尽で物騒な時代/エピクテトス先生の真意は?第2章 エピクテトス哲学の根本原理――権内と権外の区別もっとも根本的で忘れてはならないこと/白旗を掲げるその前に/「権内にあるもの」と「権外にあるもの」を見極めよ/人間にとって一番、幸福な状態とは/「打てないボールは、打たなくていい」コラム1 古代ギリシア・ローマの哲学者たち第3章 降臨! エピクテトス先生。上司にムカつく30代男性の相談に答える!「それはそうと、相談があるとか……」/上司の役割と部下の役割/ 「上司が年上の男ならよかったのか? 」/権内の範囲でベストを尽くせ!/「理性」という能力第4章 理性を働かせよ! ――理性的能力のユーザーズガイド「自分自身を考察するもの」とは?/ 「理性的能力」の登場/デュナミス・ロギケー=理性/ 「理性はできる子」/「心像」とは?/もし自分の体が自由自在なら……/ポスト・トゥルース時代の心像/心像と戦え!?コラム2 古代ギリシアの幸福論第5章 哲学の訓練――幸福を呼ぶトレーニング心像との戦い=哲学の訓練/エピクテトス流ブートキャンプ?/捨てるのではなく、コントロールせよ/「操欲主義」のススメ/練習、練習、練習あるのみ/激情をクールダウン/ひとつの基準、たくさんの練習/ニーバー先生とフランクル先生第6章 再降臨! エピクテトス先生。見えない未来をどう選んだらいいですか?進路をいかに決めるか/やりたいことが分からない/何事も突如生じたりしない/権内にあるもの/自分の性分も忘れずにコラム3 エピクテトスに私淑した先輩たち第7章 ストア哲学の世界――論理学、自然学、倫理学ストア学徒エピクテトス/柱廊の哲学/ゼノンの最期/ 「自然と一致して生きる」とは?/理性と徳/ストア入店!?/ストア哲学の体系/バンドやろうぜ!?/論理学=理性×言葉/自然と一致する論理学/自然学=神学/自然の原理/神は万物に宿る/倫理学=果実/衝動から出発する/徳は学べる!/ストア哲学のアップデート?第8章 エピクテトス先生をアップデートするこれまでのおさらい/古代ローマから現代日本へ/アップデートの要点/帝政ローマと現代日本/巨人の肩の上に乗る/なにをなすべきか/あらためて相談を考える/自分はどこにいるのか/権内を拡張するためにコラム4 より深く学ぶためのブックガイドエピローグ 真実も幸福も――エピクテトスの徒として生きる

著者略歴

著:山本 貴光
1971年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業。コーエーでのゲーム制作を経て、文筆家・ゲーム作家。関心領域は書物、映画、ゲーム、原節子など。著書に『コンピュータのひみつ』(朝日出版社)、『文体の科学』(新潮社)、『「百学連環」を読む』(三省堂)、『文学問題(F+f)+』(幻戯書房)、『脳がわかれば心がわかるか』(吉川浩満との共著、『心脳問題』の増補改訂版)のほか、ちくまプリマー新書で『問題がモンダイなのだ』(吉川との共著)、『ゲームの教科書』(馬場保仁との共著)、『高校生のためのゲームで考える人工知能』(三宅陽一郎との共著)がある。訳書にジョン・R・ サール『MiND』(吉川との共訳、ちくま学芸文庫)など。「哲学の劇場」主宰。
著:吉川 浩満
1972年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。国書刊行会、ヤフーを経て、文筆業。関心領域は哲学、卓球、犬猫鳥、単車など。著書に『理不尽な進化』(朝日出版社)、『人間の解剖はサルの解剖のための鍵である』(河出書房新社)、『問題がモンダイなのだ』(山本貴光との共著、ちくまプリマー新書)、『脳がわかれば心がわかるか』(山本との共著、『心脳問題』の増補改訂版)などがある。訳書にジョン・R・ サール『MiND』(山本との共訳、ちくま学芸文庫)など。「哲学の劇場」主宰。

ISBN:9784480847508
出版社:筑摩書房
判型:4-6
ページ数:224ページ
定価:1400円(本体)
発行年月日:2020年03月
発売日:2020年03月14日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QDHA
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:QDX