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モンゴル・ロシア・中国の新史料から読み解くハルハ河・ノモンハン戦争

著:ボルジギン・フスレ

紙版

内容紹介

これまで日本の研究者には利用しえなかった,モンゴル語,ロシア語,中国語の史料,およびオーラルヒストリー調査から得られた基礎的なデータにもとづいて, ハルハ河・ノモンハン戦争(ノモンハン事件)の全体像を解き明かし,20世紀前半の北東アジアの秩序の形成と維持に果たした日本・ロシア・中国・モンゴルの役割をよみなおそうとするものである。

目次

はじめに

第 1 章 ハルハ河・ノモンハン戦争研究の成果と動向:2009年以降を中心に 3
1.はじめに 3
2.2009年以降のモンゴルにおけるハルハ河・ノモンハン戦争研究 5
3.ロシアにおけるハルハ河・ノモンハン戦争研究の成果と動向 14
4.中国からみたハルハ河・ノモンハン戦争 22
5.おわりに 30
注 32
参考文献 48

第 2 章 国境と民族 59
1.はじめに 59
2.フルンボイルと外モンゴルにおける境界線の形成 60
3.地図による検証 62
4.キャフタ会議における内外モンゴル境界線についての論争 67
5.おわりに代えて―モンゴル人にとっての「国境」 72
注 74
参考文献 77

第 3 章 ハルハ河・ノモンハン戦争をめぐる中ソ交渉 81
1.はじめに 81
2.日中戦争勃発後のソ連政府の中国に対する援助 82
3.ハルハ河・ノモンハン戦争をめぐる中ソ交渉 89
4.おわりに 96
注 99
参考文献 110

第 4 章 ハルハ河・ノモンハン戦争における中国の対日,対ソ諜報活動 119
1.はじめに 119
2.ハルハ河・ノモンハン戦争における中国の対日諜報活動 120
3.国境の画定における中国の対日,対ソ諜報活動 129
4.おわりに 133
注 135
参考文献 142

第 5 章 捕虜の行方:モンゴルで発見された日本軍,満洲国軍捕虜の資料を中心に 149
1.はじめに 149
2.ハルハ河・ノモンハン戦争の日本軍捕虜に関するこれまでの研究 151
3.日本軍捕虜に関するモンゴルのデータ 155
4.満洲国軍捕虜に関するモンゴルのデータ 167
5.おわりに 173
注 175
参考文献 181

第 6 章 ハルハ河・ノモンハン戦争と内モンゴル人 185
1.はじめに 185
2.ハルハ河・ノモンハン戦争に参戦した内モンゴル兵 186
3.ハルハ河・ノモンハン戦争に対する内モンゴル人の認識 195
4.おわりに 201
注 204
参考文献 210

第 7 章 記憶としてのハルハ河・ノモンハン戦争 215
1.はじめに 215
2.ハルハ河・ノモンハン戦争におけるプロパガンダ 216
3.写真・映像がかたるハルハ河・ノモンハン戦争 220
3.1.ハルハ廟事件とマンチューリ(満洲里)会議 221
3.2.日本陸軍省関東軍防疫部長(731部隊給水部長)石井四郎名義で作成された『ノモンハン事件写真集』 233
3.3.戦争の傷跡と参戦者の「凱旋」 243
3.4.捕虜の宿命,戦死者および停戦に関する交渉 251
4.記念碑に刻まれたハルハ河・ノモンハン戦争 262
5.おわりに代えて 284
注 285
参考文献 293

あとがき 301

人名索引 305
事項索引 309

著者紹介 318

著者略歴

著:ボルジギン・フスレ
(呼斯勒/Husel Borjigin)
昭和女子大学国際学部国際学科教授。
北京大学哲学部卒。東京外国語大学大学院地域文化研究科博士後期課程修了,博士(学術)。内モンゴル大学芸術学院講師,東京大学大学院総合文化研究科・日本学術振興会外国人特別研究員,ケンブリッジ大学招聘研究者などをへて,現職。
主な著書に『中国共産党・国民党の対内モンゴル政策(1945~49年)―民族主義運動と国家建設との相克』(風響社,2011年),共著『20世紀におけるモンゴル諸族の歴史と文化―2011年ウランバートル国際シンポジウム報告論文集』(風響社,2012年),『国際的視野のなかのハルハ河・ノモンハン戦争』(三元社,2016年),『日本人のモンゴル抑留とその背景』(三元社,2017年),『ユーラシア草原を生きるモンゴル英雄叙事詩』(三元社,2019年)など。

ISBN:9784883035045
出版社:三元社
判型:A5
ページ数:328ページ
定価:5989円(本体)
発行年月日:2020年02月
発売日:2020年02月27日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ