岩波新書
小学校英語のジレンマ
著:寺沢 拓敬
内容紹介
二〇二〇年四月から小学校五・六年で正式教科としての英語が、三・四年で必修の「外国語活動」が始まる。グローバル化時代には必須との大きな期待と根強い反対を経て生まれた「小学校英語」はどこへ向かうのか。実際、どんな効果が見込めるのか。約三〇年の改革の経緯、教える負担の大きさなど、未解決の論点を網羅する画期的な一冊。
目次
はじめに
序 章
第Ⅰ部 小学校英語、これまでの道のり
第1章 【第Ⅰ期】小学校英語前史
1 戦前から戦後へ
2 英語教育の早期化と臨時教育審議会
3 学習と年齢効果の研究
第2章 【第Ⅱ期】「実験」の時代
1 「国際化時代」と英語教育の議論
2 研究開発学校では何が学ばれていたのか
3 小学校英語推進派の理想主義
第3章 【第Ⅲ期】模索の時代――多様性とカオスの小学校英語
1 小学校に英語がやってきた
2 総合学習での英語活動
3 教育特区での小学校英語
4 小学校英語論争の勃発
第4章 【第Ⅳ期】「外国語活動」の誕生
1 「グローバル化時代の人材育成」と英語教育
2 「必修だが教科でない」
3 特殊日本的な「外国語活動」
4 英語力は向上するのか、国語力がダメになるのか
第5章 【第Ⅴ期】教科化・早期化に向けて
1 トップダウン型の教育改革へ
2 第二次安倍政権以後の改革――変質する政策審議
3 教科化既定路線の中の賛否
4 世論の期待と不安
第Ⅱ部 小学校英語の展望
第6章 現在までの改革の批判的検討
1 小学校英語三〇年の歴史を振り返る
2 根拠なき計画・実行
第7章 どんな効果があったのか
1 教育政策を支えるデータとは
2 小学校英語の効果、これまでの研究
3 小学校で英語を学んだ子どもの英語力・態度は向上したのか?
4 根拠に基づいた議論を
第8章 グローバル化と小学校英語
1 「グローバル化だから小学校英語」でよいのか
2 英語ニーズのこれから
第9章 教員の負担とさまざまな制約
1 誰が教えるのか
2 制度、予算の制約、世論のプレッシャー
3 外部人材活用という「第三の道」
おわりに
年 表
参考文献
ISBN:9784004318262
。出版社:岩波書店
。判型:新書
。ページ数:254ページ
。定価:840円(本体)
。発行年月日:2020年02月
。発売日:2020年02月22日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JN。