地獄
著:石田 瑞麿
解説:末木 文美士
紙版
内容紹介
地獄。それは誰もが墜ちたくない場所だろう。なぜ我々はこれほどに地獄を恐れるようになったのか――。
「地獄」の成立と展開の歴史と、平安後期、人々が末法と堕獄に怯えるなか、地獄と対照的な場として急浮上する「極楽」の歴史を、浄土教に精通した碩学が、詳細ながらも平易な語り口で、網羅的に紹介する“あの世”を知るための恰好の概説書。解説=末木文美士。
***************************
本書は、浄土教に詳しい博学の仏教学者による地獄論である。……読みやすい文章で、インドに発する地獄に関する原典から、地獄と極楽を含めた日本の浄土教の展開、そして近世へと巧みに話を進めて行く。それゆえ、流れに従って読んでいけば、ほぼ地獄・極楽の歴史と思想の概略を捉えることができる。(「解説」より抜粋)
目次
Ⅰ
地獄とは何か
地獄苦
Ⅱ
地獄の受容
地獄と浄土の思想
『往生要集』の極楽
極楽への誘い
Ⅲ
浄土信仰と末法思想
末法の思想と浄土教
念仏における生き死にの道
浄土教から見た生と死
Ⅳ
地獄の菩薩
近世における地獄の観念
あとがき
初出一覧
解 説(末木文美士)