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地獄

著:石田 瑞麿
解説:末木 文美士

紙版

内容紹介

地獄。それは誰もが墜ちたくない場所だろう。なぜ我々はこれほどに地獄を恐れるようになったのか――。

「地獄」の成立と展開の歴史と、平安後期、人々が末法と堕獄に怯えるなか、地獄と対照的な場として急浮上する「極楽」の歴史を、浄土教に精通した碩学が、詳細ながらも平易な語り口で、網羅的に紹介する“あの世”を知るための恰好の概説書。解説=末木文美士。

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本書は、浄土教に詳しい博学の仏教学者による地獄論である。……読みやすい文章で、インドに発する地獄に関する原典から、地獄と極楽を含めた日本の浄土教の展開、そして近世へと巧みに話を進めて行く。それゆえ、流れに従って読んでいけば、ほぼ地獄・極楽の歴史と思想の概略を捉えることができる。(「解説」より抜粋)

目次


地獄とは何か
地獄苦


地獄の受容
地獄と浄土の思想
『往生要集』の極楽
極楽への誘い


浄土信仰と末法思想
末法の思想と浄土教
念仏における生き死にの道
浄土教から見た生と死


地獄の菩薩
近世における地獄の観念

あとがき
初出一覧
解  説(末木文美士)

著者略歴

著:石田 瑞麿
1917年北海道旭川市の浄土真宗本願寺派慶誠寺に生まれる。1941年東京帝国大学文学部印度哲学梵文学科卒業。「仏教を研究するなら僧侶にはなるな」との父の勧めで、在家を通した。文学博士。東洋大学教授のほか、武蔵野女子大学などで講師を務める。1985年仏教伝道文化賞を受賞。1999年歿。著書に『日本仏教における戒律の研究』(在家仏教協会、1963年)、『往生要集:日本浄土教の夜明け』全二巻(平凡社東洋文庫、1963~1964年)、『浄土教の展開』(春秋社、1967年)、『往生の思想』(平楽寺書店、1968年)、『日本思想大系6 源信』(岩波書店、1970年)、『日本仏教史』(岩波書店、1984年)、『日本仏教思想論集』全五巻(法藏館、1986~1987年)、『女犯:聖の性』(筑摩書房、1995年)、『日本人と地獄』(春秋社、1998年)など多数。
解説:末木 文美士
1949年山梨県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。博士(文学)。東京大学・国際日本文化研究センター名誉教授。専攻は仏教学・日本思想史。主な著書に『日本宗教史』『日本思想史』(岩波新書)、『思想としての近代仏教』(中公選書)など多数。

ISBN:9784831826060
出版社:法藏館
判型:文庫
ページ数:318ページ
定価:1200円(本体)
発行年月日:2020年03月
発売日:2020年03月09日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QRF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:QDT