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岩波現代文庫

一粒の柿の種

科学と文化を語る

著:渡辺 政隆

紙版

内容紹介

科学は文化? もちろん! ならば楽しまなきゃ。博物館の起源から、ファラデー、ダーウィン、寺田寅彦、中谷宇吉郎、グールド、福岡伸一などの科学エッセイ、村上春樹、「007」などの文学が素材。泡の秘密が隠された、シャンパングラス片手におしゃれな会話が楽しめる。科学教育のあり方や疑似科学も俎上に。解説=最相葉月。

目次

1 寅彦がまいた種
 漱石の素養にみる科学リテラシー/文人科学者のいた時代/エビを二つ食っちゃう/タクシー・トーク/侮るなかれタクシードライバー/エレベーター・トーク/科学の種をまく

2 科学の卵
 愛鳩家の科学/好きこそ物の/雪は天からの贈り物/立春の卵伝説

3 書の起源
 『種の起源』縁起/欠点が才能に転化?/サイエンティストの起源/サマヴィルにはじまる奇しき因縁/科学を語る人でもあったサイエンティスト

4 ポピュラーサイエンスの誕生
 科学の庶民化/活字メディアという強み/科学「遺伝子」の大爆発?/サイエンスライター宣言

5 自然の覗き窓
 ミューズの神殿/博物館の起源/科学の神殿の誕生/アリスの不思議な館/研究から学びの館へ

6 科学で遊ぶ
 聖女へのオマージュ/聖堂の遊びスペース/ミッキーマウスへのオマージュ/科学の味付け/ありえないけどありそうな話/ポケモンが「進化」したっていいじゃない

7 サイエンスコミュニケーションの潮流
 天衣無縫の文化/ユニバーサルランゲッジとしての科学/ローカルからグローバルへ/科学の井戸端会議/科学の饗宴

8 知識はシャンパンの泡のごとく
 茶碗から宇宙へ/教養としての科学/泡沫の意味を知る/無用の用

9 ライフコースをデザインする
 眠れる遺伝子を起こす/科学の誘引力/科学者のイメージ/メディア戦略/何のための科学か

10 ニセ科学への免疫力
 潜在する好奇心を目覚めさせる/プチ科学ブーム?/ニセ科学の言説/相関と因果

11 科学者の銅像と偶像
 アイドルとしての科学者/等身大の科学技術者/正直ジムの功罪/科学との出会い

12 科学への愛の言葉
 文章読本さん/科学の文体/科学のベストセラー/科学を耕す

13 二つの文化をつなぐ
 文化を耕す/自然の造形に魅せられて/目隠しの有効活用/始祖鳥異聞/応用問題


主な参考文献

テッポウエビの指パッチン異聞――あとがきにかえて

ゴジラの進化――現代文庫版のためのあとがき

解説 身の回りにこそ科学を楽しむ種がある……………最相葉月

著者略歴

著:渡辺 政隆
渡辺政隆(Masataka Watanabe)
1955年生まれ。サイエンスライター。東北大学特任教授。専門は科学史、進化生物学。著書に『ダーウィンの遺産』(岩波書店)、『ダーウィンの夢』(光文社新書)など、訳書にダーウィン『種の起源』(光文社古典新訳文庫)、グールド『ワンダフル・ライフ』(早川書房)など多数。

ISBN:9784006033187
出版社:岩波書店
ページ数:258ページ
定価:1040円(本体)
発行年月日:2020年02月
発売日:2020年02月16日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PDZ