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ネイチャーガイド

日本の水生昆虫

他著:中島 淳
他著:林 成多
他著:石田 和男

紙版

内容紹介

「真の水生昆虫」の真の姿がわかる!新しい検索図にも注目!

ほぼ一生を水面や水中で暮らす「真の水生昆虫」を対象に,ゲンゴロウなどのコウチュウ目とタガメなどのカメムシ目で既知の全種485種・亜種を紹介。生時の美しさがわかる生態写真だけでなく幼虫,生息環境の写真も収録。簡潔に特徴をまとめた解説文や識別に役立つ検索図もあり,見て楽しく,野外で使える図鑑。

・2019 年11月末までに日本から記録された真水生のコウチュウ目とカメムシ目の485種・亜種のうち,480種・亜種を掲載しました。未掲載5種についても区別点を解説し,日本産既知種について網羅しています。

・生きた水生昆虫の美しさを伝えることを目的に,いきいきとした生態写真を掲載しています。通常の昆虫図鑑では標本写真が中心ですが,標本となった水生昆虫は模様が不鮮明になったり,色も変わったりすることがあり,生きているときと雰囲気がずいぶん異なることが多くなります。しかし生きた水生昆虫の美しさは格別であり,本図鑑では掲載種のおよそ9割にあたる442種・亜種の生きた姿を紹介しました。

・なるべく簡易に種の区別ができることを目指しました。水生昆虫の種を区別するには,本来,分類学的な専門書や論文が必要です。そこで,本図鑑では各種解説において種の識別に役立つ特徴を簡潔に記すとともに,直感的な区別の一助となるよう,カラー写真を交えた検索図を作成しました。

・執筆陣は大学や研究機関に所属し,水生昆虫の分類や保全に関する多くの研究実績がある,気鋭の昆虫学者たちです。

目次

水生昆虫とは? 4
水生昆虫の生息環境 8
各部名称 13
凡例 14
コウチュウ目 15
コガシラミズムシ科 18
コツブゲンゴロウ科 25
ゲンゴロウ科 34
ミズスマシ科 105
ツブミズムシ科 114
ダルマガムシ科 115
ホソガムシ科 133
セスジガムシ科 136
ガムシ科 139
オニガムシ科 176
ドロムシ科 177
ヒメドロムシ科 180
半水生のコウチュウ目(※) 210
カメムシ目 223
タイコウチ科 226
コオイムシ科 230
ミズムシ科 234
コバンムシ科 247
ナベブタムシ科 248
マツモムシ科 250
マルミズムシ科 256
タマミズムシ科 258
ミズカメムシ科 259
イトアメンボ科 262
カタビロアメンボ科 265
アメンボ科 272
サンゴアメンボ科 287
半水生のカメムシ目(※) 288
水生昆虫の名前を調べよう 291
参考文献 341
学名索引 344
和名索引 347

(コラム)
藻類を食べるコガシラミズムシ 24
植物の茎から呼吸するコツブゲンゴロウ 30
ムカシゲンゴロウ属 33
カイミジンコを食べるケシゲンゴロウの幼虫 39
地下水生昆虫 61
小型水生昆虫の交尾器確認法 69
ゲンゴロウのメス背面の「シワ」や「スジ」 90
ミズスマシの激減 113
シコクダルマガムシ種群(notsuiグループ) 120
ミヤタケダルマガムシ亜属(Hydraenopsis亜属) 124
幻の水生昆虫 135
水生甲虫の幼虫形態の研究 161
ガムシ科の卵のう 169
プラストロン呼吸 179
泳ぐヨコミゾドロムシ幼虫 188
水生昆虫の保全 209
オスが卵保護するコオイムシ科 233
本図鑑未掲載のミズムシ科 246
鳴くチビミズムシ 246
学名未決定の水生カメムシ 261
日本海の遠洋性ウミアメンボ 286

(※)半水生の分類群
【コウチュウ目】
オサムシ科(210)/ハネカクシ科(211)/ケシマルムシ科(212)/マルドロムシ科(212)/マルハナノミ科(213)/ヒラタドロムシ科(214)/チビドロムシ科(216)/ナガドロムシ科(217)/ナガハナノミ科(218)/ホタル科(219)/ハムシ科
(220)/ゾウムシ上科(222)
【カメムシ目】
メミズムシ科(288)/アシブトメミズムシ科
(288)/ケシミズカメムシ科(289)/ミズギワカメムシ科(289)

著者略歴

他著:中島 淳
1977年,静岡県生まれ。東京都出身。九州大学大学院生物資源環境科学府博士後期課程修了。博士(農学)。現在,福岡県保健環境研究所研究員。専門は淡水魚類や水生昆虫類を対象とした自然史研究。好きな水生昆虫はシマゲンゴロウとセマルヒメドロムシ。著書・共著に『湿地帯中毒:身近な魚の自然史研究』(東海大学出版部),『日本のドジョウ 形態・生態・文化と図鑑』(山と溪谷社),『福岡県の水生昆虫図鑑』(株式会社マツモト)など。
他著:林 成多
1972年,群馬県生まれ。新潟大学大学院自然科学研究科博士後期課程修了。博士(理学)。現在,ホシザキ野生生物研究所研究員。専門はネクイハムシ亜科や水生昆虫などを材料とした古生物学・生物地理学と,山陰産水生生物の自然史研究。好きな水生昆虫はタマガムシとマメガムシ。著書・共著に『日本のネクイハムシ』(むし社),『森と水辺の甲虫誌』(東海大学出版部),『山陰地方産水生昆虫図鑑I〜IV』(ホシザキ野生生物研究所)など。
他著:石田 和男
1972年,埼玉県生まれ。千葉県出身。東邦大学理学部生物学科学士(理学)課程修了。大学卒業後は生物調査業務に従事し,現在,株式会社地域環境計画に勤務。愛知県在住時に東海地方の水生カメムシ相を調査・発表する機会に恵まれ,以降は日本産水生カメムシの採集と生態写真撮影が趣味となる。好きな水生昆虫はコバンムシとエサキアメンボ。

ISBN:9784829984116
出版社:文一総合出版
判型:A5
ページ数:352ページ
定価:5000円(本体)
発行年月日:2020年01月
発売日:2020年01月22日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PDZ
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:PSVA2
国際分類コード【Thema(シーマ)】 3:GBC