白水uブックス
旅に出る時ほほえみを
著:ナターリヤ・ソコローワ
訳:草鹿 外吉
紙版
内容紹介
心優しき怪獣は歌う、《人間》のために――
《人間》が怪獣をつくりだした――合金の骨格に緑色の人工血液、生肉を動力源とする鉄製の怪獣17Pは、削岩機で地中を自由に動きまわり、また拙いながら人間のことばも話した。20年の歳月を費やして怪獣を創造した《人間》――有名な設計家は、自ら怪獣に乗り込み、地下潜行試験を繰り返していた。人々は彼を称え、首相は《人間》に怪獣創造者の称号と勲章を与えたが、彼の関心は地位や名誉ではなく、科学と人類の可能性に向けられていた。一方、市内では労働者のストライキが発生、これを武力で鎮圧した首相は国家総統となり、独裁体制を推し進める。政治とは距離をおく《人間》も無関係ではいられなかった。独裁者の総統が彼にあたえた運命とは?「旅に出る時ほほえみを……二度と帰らぬ旅だもの……」人の痛みを知る鉄製怪獣の歌う声が心に響く、現代のおとぎばなし。
ISBN:9784560072288
。出版社:白水社
。判型:新書
。ページ数:222ページ
。定価:1800円(本体)
。発行年月日:2020年01月
。発売日:2020年01月22日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB。