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契約と法の経済分析

著:佐藤 茂春

紙版

内容紹介

契約の経済理論とりわけ不完備契約理論を基礎に、不完備契約がもたらす非効率性を克服するためどのような方策があるのかを考察する。

第1部では契約の経済学の不完備契約理論を概観し、それに対する契約当事者間の自主的解決としてのオプション契約の有効性を議論する。第2部では法と裁判所による契約不履行の法的救済という制度の下でどのような法的救済制度が契約の効率性を改善するのかを議論する。第3部では市場の効率性に与える契約不完備性の問題を議論する。

目次

はしがき

第1章 契約と法の経済分析
 1.1 はじめに
 1.2 不完備契約の理論
 1.3 法と経済学
 1.4 契約理論と市場均衡
 1.5 不完備契約の基本モデル
 1.6 本書の構成
 
第Ⅰ部 契約の経済分析

第2章 逐次的投資とオプション契約
 2.1 はじめに
 2.2 逐次投資モデル
 2.3 オプション契約
 2.4 おわりに

第3章 逐次的投資の下での暗黙的契約とオプション契約の有効性
 3.1 はじめに
 3.2 モデル
 3.3 第3 者との取引の導入(外生的な財の評価)
 3.4 おわりに

第4章 負債契約と投資の効率性
 4.1 はじめに
 4.2 モデル
 4.3 アウトサイダーファイナンス
 4.4 インサイダーファイナンス
 4.5 おわりに
 
第Ⅱ部 法の経済分析

第5章 投資のタイミングと法的救済
 5.1 はじめに
 5.2 モデル
 5.3 分析
 5.4 おわりに

第6章 短期賃借権と不完備契約
 6.1 はじめに
 6.2 モデル
 6.3 おわりに
 6.4 補論

第7章 不法行為法と進化ゲーム
 7.1 はじめに
 7.2 経済学における限定合理性に対するアプローチ
 7.3 合理性対非合理性:不法行為法の進化ゲーム
 7.4 おわりに

第Ⅲ部 契約と法と市場の経済分析

第8章 賃貸住宅サーチモデルにおける借家権保護
 8.1 はじめに
 8.2 住宅サーチモデル
 8.3 長期における家主の自由参入
 8.4 おわりに
 8.5 補論

第9章 定期借家制度の導入と家賃分布
 9.1 はじめに
 9.2 モデル
 9.3 均衡と家賃分布の比較
 9.4 おわりに

第10章 結語

参考文献
索引

著者略歴

著:佐藤 茂春
佐藤 茂春(さとう しげはる) 
1979年福岡県生まれ.九州大学経済学部経済学科卒業.九州大学大学院経済学府博士課程修了,博士(経済学).九州大学大学院経済学研究院助手,長崎ウエスレヤン大学現代社会学部准教授,中京大学総合政策学.部准教授を経て,現在:中京大学総合政策学部教授.主著:『契約と法の経済分析』勁草書房(2020)など.

ISBN:9784326504695
出版社:勁草書房
判型:A5
ページ数:216ページ
定価:4000円(本体)
発行年月日:2020年01月
発売日:2020年01月22日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KCA