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完全版 土地 11

著:朴景利
監:金正出
訳:清水知佐子

紙版

内容紹介

独立運動への圧力は、西姫と周囲の人々にも暗い影を落とす
複雑に絡まる運命が物語を導いていく

【11巻あらすじ】
日本の官憲による執拗な独立運動弾圧は、西姫と縁のある人々をさまざまな形で窮地に追い込む。
環(九泉)は、かつての仲間に裏切られて投獄される。その壮絶な最期は、崔参判家の悲劇の終わりを意味した。
しかし、独立運動に関連して夫の吉祥も拘束されてしまう。
西姫と吉祥の長男・還国は、思春期の悩みを抱え進路の選択に迷う一方で、間島で別れたきりになっている父親に会いたいという思いを強くしている。
西姫と姉妹のように成長して妓生・紀花となった鳳順は、心身共に病んで、平沙里の崔参判家に保護されていた。
その平沙里では農民たちの間で事件が起きた。過去からつながる運命の糸があちこちで交錯する。

著者略歴

著:朴景利
1926年、慶尚南道統営市生まれ。晋州高等女学校、ソウル家庭保育師範学校(世宗大学の前身)卒。
1955年に短編小説「計算」でデビュー、1957年に短編「不信時代」で 『現代文学』新人賞受賞。
以後、次々と長編作品を発表し、各種文学賞を受 賞して実力派の作家としての地位を確かなものにすると同時に、韓国の女性作家の草分け的存在となった。
1969年から25年間にわたって書き継がれた大河小説『土地』は代表作で あり、韓国現代文学における最も優れた作品の一つと評される。また「国民文学」として韓国で愛されてきたベストセラー小説でもある。
1994年に『土地』が完結した後も小説、詩、エッセイを書き続けた。晩年には環境問題に関心を深め、江原道原州の自宅菜園で有機栽培などしながら、意欲的に執筆を続けた。2008年没。享年81歳。
監:金正出
1946年青森県生まれ。1970年北海道大学医学部卒業。
現在、美野里病院(茨城県小美玉市)院長。医療法人社団「正信会」理事長、社会福祉法人「青丘」理事長、青丘学院つくば中学校・高等学校理事長も務める。
訳書に『夢と挑戦』(彩流社)などがある。
訳:清水知佐子
和歌山生まれ。大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)朝鮮語学科卒業。在学中に延世大学韓国語学堂に留学。
読売新聞大阪本社に勤務した後、ライターとして活動。
訳書に『原州通信』(イ・ギホ著)、『クモンカゲ 韓国の小さなよろず屋』(イ・ミギョン著)。共訳に『朝鮮の女性(1392-1945)─身体、言語、心性』、『銭の戦争』。

ISBN:9784904855515
出版社:クオン
判型:4-6
価格:2800円(本体)
発行年月日:2019年12月
発売日:2019年12月28日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB