出版社を探す

NHK出版新書 609

マグロの最高峰

著:中原 一歩

紙版

内容紹介

旨さの秘密、全部教えます。
漁師から仲買人、鮨職人まで、すべてに密着取材して明らかにした「究極の味」

命を懸けた釣り、ミシュラン3つ星の鮨ネタ、初競りの「3億円」──。マグロをめぐるイメージは、この魚が持つ「人生を変えるほどの旨さ」によって生まれる。豊洲市場で1日に並ぶ200本のうち2、3本という“マグロの中のマグロ”とはどんな魚なのか? どんな季節の、どこで獲れた魚の、どの部位が「最高の味」なのか? 漁・卸・鮨の各局面に誰よりも通じた作家による、究極の入門書!

第一章 なぜ「大間の一本釣り」は旨いのか
第二章 誰が値段を決めているのか
第三章 いかにしてマグロは高級魚となったか
第四章 どこで“最高峰”を食べられるのか
特別付録 マグロと言えばこの十店

目次

はじめに

第一章 なぜ「大間の一本釣り」は旨いのか
    「大間」とはどこか
    二つの回遊ルート
    一人の漁師が何本釣るか
    値段の決まり方
    いくつかの漁法
    一本釣りの手順
    「釣れる漁師」の条件
    巻き上げ機と電気ショッカー
    「血抜き」、「神経締め」、「冷やし込み」
    命懸けの漁
    コラム 大間に行くなら

第二章 誰が値段を決めているのか
    「上物師」という仲買人
    魚河岸の仕来り
    洒脱な若主人
    マグロにもいろいろある
    何が価格を左右するのか
    割ってみないと分からない
    「握らせてもらう」まで十年
    取引先の在庫まで想像する
    マグロの質を決める四つの要素
    鮨屋はマグロ屋と「心中する」
    大間のマグロは本当に旨いか
    一番乗りで遣りを突く
    コラム 豊洲の歩き方

第三章  いかにしてマグロは高級魚となったか
    日本人と「シビ」の縁
    「津軽海峡を塞ぐほどマグロがいた」
    マグロが全国から集まるようになるまで
    不漁期と工期の不思議な一致
    ?野鮨が「トロ」を商品化した
    和牛の霜降りとマグロの大トロ
    今世紀初頭の「二千万円突破」
    板前寿司のリッキー・チェン、現る
    苦境を救った銀座久兵衛
    日中代理戦争?
    元自衛官・木村清の実像
    マグロに人生を重ね合わせる
    「鮨おのでら― やま幸」連合
    お膳立てができていた二〇一九年の「三億」
    「十万円」の手遣り
    コラム 冷凍マグロ(ミナミマグロ)が復権する日

第四章 どこで“最高峰”を食べられるのか
    きよ田からあら輝へ
    マグロを食うなら江戸前鮨
    㐂寿司の「江戸前の仕事」
    㐂寿司の大黒柱・マグロ
    鮨屋での作法
    背ナカをどう握るか
    「腹カミの一番」を握る寿司金
    三千円で鮨を食わせてもらう
    「時価」の舞台裏
    一貫の値段を割り出す
    「それは生の本マグロか?」
    天然が安売りされている理由
    漁師たちのデモ行進
    大間と並び称される壱岐
    自主禁漁に踏み出す
    最高峰が食べられなくなる日

    特別付録 マグロと言えばこの十店

    あとがき

著者略歴

著:中原 一歩
1977年、佐賀県生まれ。雑誌を中心に取材記者を始め、新聞・ウェブメディアなどでも記者として活躍中。事件が起きると一番乗りで現地入りし、迫真のルポを書くことで定評がある。著書に『私が死んでもレシピは残る──小林カツ代伝』(文藝春秋)、『最後の職人──池波正太郎が愛した近藤文夫』(講談社)など。マグロの取材は長く、地方の鮨屋をめぐる「旅鮨」もライフワークとする。

ISBN:9784140886090
出版社:NHK出版
判型:新書
ページ数:228ページ
定価:900円(本体)
発行年月日:2019年12月
発売日:2019年12月07日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KNAF