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シリーズ・戦後思想のエッセンス

石原慎太郎

作家はなぜ政治家になったか

著:中島 岳志

紙版

内容紹介

戦後75年、気鋭の論客が戦後知識人を再評価する新シリーズ創刊!
シリーズ・戦後思想のエッセンス

「戦後派保守」──その変容に迫る
衝撃の作家デビューから国会議員、そして都知事へ。昭和から平成にかけて、その男は常に「戦後」の中心に居続けた。彼はいかにして大衆を味方につけたのか?一人の戦後派保守の歩みから、戦後日本社会の光と闇を映し出す画期的論考。

目次

 はじめに 「戦後と寝た」男
I 『太陽の季節』と虚脱感
  「無恥と無倫理」の物語
  「着地しきれなさ」を抱えて
  暗い「戦後」から明るい「太陽」の時代へ
  『太陽の季節』への批判
  「不健康でジメジメした」日本文学へのアンチテーゼ
  「大衆」への憧れ
  ボクシングと文学
  スピリチュアルへの接近
  憲法九条改正に反対する
  価値紊乱者から価値創造者へ
  同世代の作家たち

II 「若い日本の会」と六〇年安保闘争
  「若い日本の会」の混沌
  天皇制への視線──「あれをした青年」
  戦中派との衝突──「戦争」をめぐって
  政治への接近
  「刺し殺せ」──シンポジウム「発言」
  見る前に跳ぶ──大江との論争
  政治に参画するのか──江藤との論争
  安保闘争の中で
  江古田団地にて──江藤淳の離脱
  虚脱感を克服するナショナリズム──小説『挑戦』
  『挑戦』への評価と挫折
  江藤淳の「日本回帰」
  迷走の中の六〇年代

III ベトナム戦争と政界進出
  知覧訪問と「挫折の虚妄を排す」
  小説への「空回りの感覚」
  「日本の若い世代の会」
  「亡国」への焦燥感──ベトナムを訪れて
  入院生活と『若き獅子たちの伝説』
  文学の延長上にこそ政治がある
  「真の革新」のために自民党へ
  出馬に向けての思い
  参院選当選──華やかな「ヒーロー」として

IV 『「NO」と言える日本』とその後
  三百万票の意味
  「成熟」の問題──江藤淳の忠告
  「ごっこ」の世界が終わるとき
  自民党右派へ──「青嵐会」の立ち上げ
  『「NO」と言える日本』とバブル経済
  なぜアメリカから脱せないのか
  終わらない「ごっこ」の世界

石原慎太郎 年譜

著者略歴

著:中島 岳志
1975年大阪府生まれ。東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。京都大学大学院博士課程修了。北海道大学大学院准教授を経て、現職。専門は南アジア地域研究、日本近代政治思想。主な著書に『中村屋のボース』(白水社、大佛次郎論壇賞/アジア・太平洋賞大賞受賞)、『保守と大東亜戦争』(集英社新書)、『保守と立憲』『自民党 価値とリスクのマトリクス』(スタンド・ブックス)、『100分de名著 オルテガ「大衆の反逆」』『(同)ガンディー「獄中からの手紙」』(NHK出版)、共著に『日本断層論』『平成論』(NHK出版新書)など。

ISBN:9784140818046
出版社:NHK出版
判型:4-6
ページ数:144ページ
定価:1000円(本体)
発行年月日:2019年11月
発売日:2019年11月22日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ