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キッチンの悪魔

三つ星を越えた男

著:マルコ・ピエール・ホワイト
著:ジェームズ・スティーン
訳:千葉 敏生

紙版

内容紹介

イギリス人で初めてミシュラン三つ星を獲得したフレンチシェフは、料理学校やフランス留学などを経ずに頂点にのぼりつめた異色の人だった。片田舎の貧しい父子家庭で育った著者は、高校中退後、レストランを転々として技術をみがくだけでなく、時には父親仕込みの競馬のネタを武器に、また時には破天荒な人柄を活かして築いた人脈を糧にしながら、次第に夢に近づいていく。
ヌーヴェル・キュイジーヌなどの流行に背を向けた独自路線で、ひとつ、ふたつと星を増やし、独立して開いたレストランでついに三つ星を得るまでに駆使したあらゆる知恵が、本書の前半で惜しげもなく描かれる。しかし彼は、生活のすべてをキッチンに注ぎ込んでようやく得た三つ星を、わずか5年で返上してしまった――。
美食界の評価主義の弊害や、華やかな業界の裏側にも触れる、孤高のシェフの闘争記。実際にふるまわれていたフルコースを再現できるレシピ付。

目次

序章 一日一味
第1章 乱心
第2章 リーズの青空
第3章 Gは○○○のG
第4章 牛乳配達
第5章 ザ・ジョージ
第6章 白黒からカラーへ
第7章 導き
第8章 ボスのなかのボス
第9章 クマさんと食事
第10章 オックスフォードの首領(ドン)
第11章 仲間入り
第12章 帰郷
第13章 洗礼
第14章 かわいいお人形さん
第15章 お代はミンクで
第16章 満身創痍
第17章 秘密
第18章 史上最高の出来事
第19章 夢、叶う
第20章 平凡な1日
第21章 料理一筋
第22章 あの日の空
第23章 荒海
第24章 名声をなげうって
第25章 支柱なき人生
謝辞
レシピ集

著者略歴

著:マルコ・ピエール・ホワイト
1961年イギリス・リーズ生まれ。フランス料理のシェフ。高校中退後、レストランを転々としたのちに24歳で〈ハーヴェイズ〉を開店して、イギリス人で初めてミシュランの三つ星を取得する。1999年に引退後、イギリス、アメリカ、中国、ジャマイカなどでレストラン・ホテルを運営。著書に『悪魔のキッチン』(千葉敏生訳、みすず書房)。
著:ジェームズ・スティーン
イギリスのジャーナリスト。雑誌、新聞などへの寄稿多数。
訳:千葉 敏生
翻訳家。訳書 バーネット&エヴァンス『LIFE DESIGN(ライフデザイン)』(早川書房、2017)タレブ『反脆弱性』(ダイヤモンド社、2017)サンプター『サッカーマティクス』(光文社、2017)ニール『素数の未解決問題がもうすぐ解けるかもしれない。』(岩波書店、2018)ワインバーガー『DARPA秘史』(光文社、2018)ピレイ『ハーバード×脳科学でわかった究極の思考法』(ダイヤモンド社、2018)クレオン『クリエイティブと日課』(実務教育出版、2019)ウェインライト『ハッパノミクス』(2017)マッカスキル『〈効果的な利他主義〉宣言!』(2018)ホワイト『キッチンの悪魔』(2019、以上みすず書房)ほか。

ISBN:9784622088561
出版社:みすず書房
判型:4-6
ページ数:360ページ
定価:3000円(本体)
発行年月日:2019年11月
発売日:2019年11月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DNB