大きな字で書くこと
著:加藤 典洋
紙版
内容紹介
簡単に一つのことだけ書く文章とはどういうものだったか.それを私は思い出そうとしている.私は誰か.何が,その問いの答えなのか.大きな字で書いてみると,何が書けるか.――発病後も書き継がれ,その死によって幕を閉じることとなった連載「大きな字で書くこと」(『図書』)を中心に,惜しまれながら急逝した著者が遺した最後のことばたちを収める.
目次
僕の本質
Ⅰ 大きな字で書くこと
斎藤くん
大きな字で書くと
井波律子さんと桑原『論語』
森本さん
日本という国はオソロシイ
船曳くん
父 その1
父 その2
父 その3
父 その4
父 番外
多田謡子さん
橋本治という人
青山 毅
中原中也 その1
中原中也 その2
中原中也 その3
ブロックさん
寺田透先生
安岡章太郎さん
はじめての座談会
カズイスチカ
久保卓也
森嶋通夫
秋野不矩さん
私のこと その1――バルバロイ
私のこと その2――東京のおばさん
私のこと その3――勇気について
私のこと その4――事故に遭う
私のこと その5――新しい要素
私のこと その6――テレビ前夜
Ⅱ 水たまりの大きさで
イギリスの村上春樹
「あらーっ」という覚醒
知らない人の言葉
フラジャイルな社会の可能性
大きすぎる本への挨拶
東京五輪と原爆堂
憲法九条と「失われた三〇年」
信用格付と無明
私の「自己責任論」考
入院して考えたこと
助けられて考えること
もう一人の自分をもつこと
装丁 桂川潤