NHK出版新書 606
森保ジャパン 世界で勝つための条件
日本代表監督論
著:後藤 健生
内容紹介
サッカー日本代表がワールドカップの頂点に立つ日!
2022年カタールW杯の出場権をかけた戦いが始まった、サッカー日本代表「森保ジャパン」。世界の壁を突破するために必要な条件は、いったい何なのか? 代表監督に求められる資質とは?─かつて日本代表を率いた監督の系譜をひもときながら、「森保ジャパン」の未来を考察していく。著者による、歴代監督12人の独自採点付き。
目次
はじめに
Ⅰ 代表監督、世界とかく戦えり
ハンス・オフト
──日本をワールドカップに最も近づけた初の外国人指導者
ドーハの悲劇/プロ化前夜/史上初の外国人監督/シンプルな戦術、シンプルな言葉/「悲願」となったワールドカップ出場
パウロ・ロベルト・ファルカン
──キングメーカーに疎まれた自由放任主義の短命監督
難航した新監督選び/「黄金の4人」の一人/気まぐれな代表選考と選手任せの戦術/就任半年で事実上の解任
加茂 周
──望され続けた日本の名将はなぜ代表では名将になれなかったか?
日本で最初のプロ・サッカー監督/ついに実現した「加茂ジャパン」/新旧交代を図るも進まない強化/「腐ったミカン事件」/目立ちはじめた不協和音/遠征先での電撃更迭
岡田武史(第1次)
──予選敗退の危機を救った合理的で冷徹な判断力
名門クラブを支えた頭脳派DF/協会の無計画さが誕生させた偉大な監督/カリスマなき監督が武器とした論理の力/「ジョホールバルの歓喜」をもたらした最後の交代カード/ファンに理解されなかった合理性/「はずれるのはカズ」騒動と初体験のワールドカップ
フィリップ・トルシエ
──エキセントリックな問題児? 異色の指導者が日本に残した大きな遺産
自ら売り込んできた若き指導者/代名詞は「フラットスリー」/「黄金世代」を鍛え上げた鬼教官/育成上手で采配下手/トルシエを支えた人たちの力
ジーコ
──自身の天才が仇となったスーパースターの悲劇
2部クラブにやって来た世界屈指の名選手/「会長案件」としての代表監督就任/スター中心のメンバー固定主義/ジーコとの本気の言い合い/性格がもたらした? 際立つ勝負強さ/あまりにも期待はずれの本大会/敗因はコンディショニングの軽視
イビチャ・オシム
──未完に終わった「日本サッカーの日本化」 史上最も尊敬された日本代表監督
世界的名声を誇った新監督/「七色のビブス」を使ったオシム流トレーニング/「水を運ぶ選手」とポリバレント/もっと見たかったオシムサッカー
岡田武史(第2次)
──躍進を生んだ大胆な決断の裏にも論理的な裏付けあり
順当な再登板/実績を積み重ねた監督遍歴/勝利を手繰り寄せた豪胆さ/時に一人歩きした岡田監督のメッセージ/若手抜擢という功績/最大の勝因となったコンディショニング
アルベルト・ザッケローニ
──「温厚な紳士」が招いた必然の惨敗
協会が主導した初めての監督選び/セリエAで成功/機能しなかったスリーバック/きわめて平穏で順調な4年間/「自分たちのサッカー」への過信/伝わらなかったイタリア的戦術用語/予想外の「惨敗」の理由/明確な限界
ハビエル・アギーレ
──「疑惑」によって座を追われた陽気なメキシコ人監督
初めてのメキシコ人監督/積極的に新戦力を試したが……/メンバー固定で敗れたアジアカップ/「解任」は正しかったのか?
ヴァイッド・ハリルホジッチ
──速い攻撃を志向して見誤った日本サッカー100年の伝統
やり直された監督選び/王者ドイツを追い詰めた戦術家/苦しんだ最終予選/連綿と続くパス・サッカーの伝統/しゃべり続ける監督が恐れたもの/遅きに失した解任決定
西野 朗
──攻撃サッカーの申し子が示した勝負師としての真骨頂
残り2か月での就任/生まれながらのスター選手/大胆な采配が導いた史上初めての経験/現実のものとなった不安/日本サッカーの“救世主”
Ⅱ 森保ジャパンは世界で勝てるか?
森保 一
──順調なスタートを切った「気配りの人」が導く新生日本代表
最高の実績を誇る代表監督/叩き上げの選手経歴/新戦力の発掘と競争の活性化/「結果」にこだわったアジアカップ/躍動する若き代表たち/スリーバックでもフォーバックでも/「森保ジャパン」が完成するのはいつか?
2020年のその先へ
──日本代表が世界の頂点に立つ最良のシナリオ
「目標は金メダル」/「黄金世代」再び/一段上の目標/久保建英がモドリッチになれれば……
日本代表黎明期の15人──日本代表が「全日本」と呼ばれた時代
おわりに
ISBN:9784140886069
。出版社:NHK出版
。判型:新書
。ページ数:256ページ
。定価:850円(本体)
。発行年月日:2019年11月
。発売日:2019年11月08日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:SF。