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岩波現代文庫 文芸316

負ける建築

著:隈 研吾

紙版

内容紹介

周囲の環境を圧倒して屹立する超高層ビルなど20世紀型の「勝つ建築」は,いまやその「弱さ」を露呈している. これからの建築はもっと様々な外力を受けいれる「負ける建築」の途を探るべきではないか. 新国立競技場の設計に携わった著者の,20世紀の建築史や現代思想,アートへの幅広い関心と独自の建築哲学がうかがえる論集.

目次

はじめに


Ⅰ 切断,批評,形式
 1 切断から接合へ
 2 場と物
 3 批評性とはなんだったのか
 4 形式対自由という退屈


Ⅱ 透明,デモクラシー,唯物論
 1 淋しいほどに透明な/デ・ステイル
 2 デモクラシーという幻想/シンドラー
 3 デモクラシーの戦後/内田祥哉
 4 制度と唯物論/村野藤吾
 5 場所,存在,表象/三愛ドリームセンター
 6 家をよこせ,テレビを見せろ/ヴェニス・ビエンナーレ1995
 7 少女と行者/ヴェニス・ビエンナーレ2000


Ⅲ ブランド,ヴァーチャリティー,エンクロージャー
 1 公・ブランド・私
 2 風俗住宅
 3 コンクリートの時間
 4 ヴァーチャリティーとパラサイト
 5 「美」の終焉
 6 エンクロージャー



おわりに
岩波現代文庫版あとがき
初出一覧

著者略歴

著:隈 研吾
隈 研吾(くま けんご)
1954年,神奈川県生まれ.東京大学大学院建築学専攻修了.コロンビア大学建築・都市計画学科客員研究員などを経て,1990年,隈研吾建築都市設計事務所設立.現在,東京大学工学部建築学科教授.著書に『10宅論』(ちくま文庫)『反オブジェクト』(ちくま学芸文庫)『対談集つなぐ建築』(岩波書店)『自然な建築』『小さな建築』(以上,岩波新書)など多数.

ISBN:9784006033163
出版社:岩波書店
判型:B6
ページ数:288ページ
定価:1140円(本体)
発行年月日:2019年11月
発売日:2019年11月18日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:AM