アメリカ文学と映画
他編著:杉野 健太郎
他編著:諏訪部 浩一
他編著:山口 和彦
内容紹介
文学研究と映画研究の新たな地平を求めて、文学研究者がアメリカ文学を代表する作品のアダプテーションをめぐる批評実践を試みる。文学と映画それぞれのメディアの表現方法の違い、原作と映画テクストの歴史性、改変の意味や効果などを論じる。
取り上げる作品は、『白鯨』『ハックルベリー・フィンの冒険』『華麗なるギャツビー』『欲望という名の電車』『ブレードランナー』などを取り上げる。
目次
はしがき
クーパー『モヒカン族の最後』1826
1) 崖の上のアリス(川本徹)
『モヒカン族の最後』とその映画的表象
ナサニエル・ホーソーン『緋文字』1850
2)フェミニズムと対抗文化の問題(藤吉清次郎)
ヴィム・ヴェンダース監督『緋文字』
ハーマン・メルヴィル『白鯨』1851
3)ニューディール・リベラリズムの遺産と反メロドラマの想像力(貞廣真紀)
ジョン・ヒューストン監督『白鯨』
マーク・トウェイン『ハックルベリー・フィンの冒険』1885
4)『ハックルベリー・フィンの冒険』の映画史(辻和彦)
ヘンリー・ジェイムズ『鳩の翼』1902
5) モダニティとリアリズム(堤千佳子)
イアン・ソフトリー監督『鳩の翼』論
イーディス・ウォートン『無垢の時代』1920
6) <感情>を描出する(新井景子)
マーティン・スコセッシ監督『エイジ・オブ・イノセンス』
シオドア・ドライサー『アメリカの悲劇』1925
7)小説的社会と映画的世界(小林久美子)
『アメリカの悲劇』、エイゼンシュテイン、『陽のあたる場所』
F・スコット・フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』1925
8)モダン/ポストモダンな『グレート・ギャツビー』(杉野健太郎)
バズ・ラーマン監督『華麗なるギャツビー』
リリアン・ヘルマン『子供の時間』1934
9)ひとりで歩く女(相原直美)
ウィリアム・ワイラー監督『噂の二人』
ジョン・スタインベック『怒りの葡萄』1939
10)アメリカ大衆文化における民衆の想像力(中垣恒太郎)
ジョン・フォード監督『怒りの葡萄』
テネシー・ウィリアムズ『欲望という名の電車』1947
11)プロダクション・コードを抜けて(山野敬士)
エリア・カザン監督『欲望という名の電車』の軌道を辿る
レイモンド・チャンドラー『長いお別れ』1953
12) 裏切りの物語(諏訪部浩一)
『長いお別れ』と『ロング・グッドバイ』
フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』1968
13)ユダヤ人/黒人の表象としてのレプリカント(大地真介)
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』と『ブレードランナー』
カポーティ『冷血』1967と『カポーティ』2005
14)そのまなざしを受けとめるのは誰なのか(越智博美)
『冷血』と『カポーティ』
アリス・ウォーカー『カラーパープル』1982
15)覇権調整のシネマトグラフィ(宮本敬子)
スティーヴン・スピルバーグ監督『カラーパープル』
フィリップ・ロス『ヒューマン・ステイン』2000
16)ミスキャストの謎を追って(相原優子)
ロバート・ベントン監督『白いカラス』
コーマック・マッカーシー『血と暴力の国』2005
17)コーマック・マッカーシーの小説とコーエン兄弟の映画の対話的関係の構築について(山口和彦)
『ノーカントリー』における「暴力」と「死」の映像詩学
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ISBN:9784384059311
。出版社:三修社
。判型:A5
。ページ数:360ページ
。定価:3000円(本体)
。発行年月日:2019年10月
。発売日:2019年11月02日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB。