岩波新書 新赤版1800
民主主義は終わるのか
瀬戸際に立つ日本
著:山口 二郎
紙版
内容紹介
政府与党が強大化し,政権の暴走が続いている.政治家や官僚は劣化し,従来の政治の常識が次々と覆されている.対する野党の力は弱く,国会も役割を見失ったままだ.市民的自由への抑圧も強まっている.なぜ日本政治はここまで堕ちてしまったのか.内側から崩れゆく日本の民主主義を立て直す道はどこにあるのか.警世の書.
目次
はじめに
第1章 瀬戸際に立つ民主主義
1 戦後に民主主義が続いた理由
2 民主主義が変調をきたした理由
第2章 集中し暴走する権力
1 「決められる政治」追求の果て
2 政治家の過剰、官僚の忖度
3 劣化するリーダーシップ
4 失われた民主主義のガードレール
5 権力抑制のための統治機構改革
第3章 分裂し迷走する野党
1 よい野党への挑戦
2 野党再編の模索は続く
3 ポピュリズムをどう考えるか
第4章 民主主義の土台を崩した市場主義
1 なぜ人々は改革を待望したのか
2 「選択と集中」が行き着いた先
3 なぜ官僚主義と無責任がはびこるのか
第5章 個人の抑圧、崩れゆく自由
1 「いやな感じ」の正体
2 教育に広がる画一化
3 規制される報道、自粛するメディア
第6章 「戦後」はこのまま終わるのか
1 戦後合意の時代
2 安倍政治のめざすポスト戦後合意
3 三・一一後の根拠なき楽観
終章 民主主義を終わらせないために――五つの提案
読書案内
あとがき