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74歳の日記

著:メイ・サートン
訳:幾島 幸子

紙版

内容紹介

73歳の冬、サートンは夜中に突然軽い脳梗塞を起こした。さらに、当時つづいていた体調不良に重ねて、愛猫ブランブルの死があり、クリスマスツリーが燃えるハプニングもあり、詩はいっこうに湧いてこない。
そんななかで春を迎えた1986年4月、彼女は「とにかく率直な日記をつけよう」と決める。こうして読者は、サートンがついに元気になるまでの道程を伴走することになる。
日記の終盤にかけて、朗読旅行にも出かけられるようになったサートンの「独り居」は、豊かさと生気をとり戻していく――毎日臨む海、多忙な庭仕事、貪欲な読書、新顔の雄猫ピエロ、気にかけてくれる友人たち、読者からの手紙、そしてふたたび湧きはじめた詩。
サートンの筆致はどんな状態にあっても湿っぽくない。ここにいるのは、どこまでも人生の探検者でありつづける詩人だ。

著者略歴

著:メイ・サートン
1912-1995。ベルギーに生まれる。4歳のとき父母とともにアメリカに亡命、マサチューセッツ州ケンブリッジで成人する。一時劇団を主宰するが、最初の詩集(1938)の出版以降、著述に専念。小説家・詩人・エッセイスト。日記、自伝的エッセイも多い。邦訳書『独り居の日記』(1991)『ミセス・スティーヴンズは人魚の歌を聞く』(1993)『今かくあれども』(1995)『夢見つつ深く植えよ』(1996)『猫の紳士の物語』(1996)『私は不死鳥を見た』(1998)『総決算のとき』(1998)『海辺の家』(1999)『一日一日が旅だから』(2001)『回復まで』(2002)『82歳の日記』(2004)『70歳の日記』(2016)『74歳の日記』(2019、いずれもみすず書房)。
訳:幾島 幸子
1951年東京都に生まれる。早稲田大学政経学部卒業。翻訳家。訳書 M・サートン『総決算のとき』(1998)『70歳の日記』(2016)『74歳の日記』(2019、以上みすず書房)A・ネグリ/M・ハート『マルチチュード』(2005)『コモンウェルス』(共訳、2012、以上NHK出版)S・ピンカー『思考する言語』(共訳、2009、NHK出版)『暴力の人類史』(共訳、2015、青土社)A・ブラウン『江戸に学ぶエコ生活術』(2011、CCCメディアハウス)N・クライン『ショック・ドクトリン』(共訳、2011)『これがすべてを変える』(共訳、2017)『NOでは足りない』(共訳、2018、以上岩波書店)他多数。

ISBN:9784622088523
出版社:みすず書房
判型:4-6
ページ数:336ページ
定価:3200円(本体)
発行年月日:2019年10月
発売日:2019年10月18日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DND