近江旅の本
近江の能
中世を旅する
著:井上 由理子
紙版
内容紹介
現在も上演されている能の演目約200曲から、近江を舞台として展開する「関寺小町」「竹生島」等15曲を取り上げ、当地の実相を浮き彫りにする。また、多くの能に含まれる旅の経過「道行」などは、中世の名所旧跡のガイドであり、こうしたご当地を各演目のストーリーと合わせて案内する。
目次
『蝉丸』逢坂の関—知るも知らぬも
〈コラム〉番外曲「逢坂物狂」
『関寺小町』(『鸚鵡小町』)関寺の跡—小町の孤独
〈コラム〉番外曲「鸚鵡小町」の道行
『自然居士』大津・松本の港—水辺の奪還劇
『兼平』矢橋・粟津—修羅場への渡し
『巴』粟津—恋慕の戦場
『源氏供養』石山寺—誕生「源氏物語」
『望月』守山宿—能の仇討ち
『烏帽子折』鏡宿—義経元服の地
〈コラム〉中世・近江の芸能 その①
『三井寺』三井寺—月と鐘と母の愛
〈コラム〉番外曲「泣不動」
〈コラム〉中世・近江の芸能 その②
『志賀』志賀の山越え—都と歌の通い道
『雷電』延暦寺東塔—道真、師を訪ねる
〈コラム〉中世・近江の芸能 その③
『善界』延暦寺横川—天狗の畏怖する不動尊
『大会』延暦寺西塔—僧侶の夢はかなく
『白鬚(白髭)』白髭神社—比良明神の神威
〈コラム〉中世・近江の芸能 その④
『竹生島』竹生島—女神の島
〈コラム〉弁財天が主人公
乱曲
狂言
<考察> 近江の能をめぐって