出版社を探す

シリーズ はじめてみよう

地域福祉のはじめかた 1

事例による演習で学ぶ地域づくり

編:藤井 博志

紙版

内容紹介

本書は、地域づくりに取り組んでみよう!と思ったものの、まず何からすればいいのかわからない、地域福祉初心者向けに作られた書籍です。地域とは何かから始め、12のステップで演習を交え、実際に手を動かしたり考えたりしながら、地域福祉を理解していきます。個人(ミクロ)から地域(メゾ)へ、そして市や都道府県の計画を経て実践を政策に反映させる(マクロ)まで、具体的な手法を学ぶことができます。

目次

はじめに
本書の位置づけと構成・活用方法
演習事例の舞台となる地域と登場人物


第1章 地域福祉の全体像をつかもう

演習1 私と地域のつながり方を見つめよう
 1 地域福祉とは
  解説1 コミュニティ・地域社会と福祉コミュニティの関係
  解説2 「きょうどう」の意味:共同,協同,協働
 2 地域福祉における「地域」の特性
 3 地域福祉実践の領域
  解説3 ソーシャルサポートネットワーク
 4 地域生活支援と地域づくりの関係
  解説4 地域福祉と社会福祉施設の関係


第2章 地域って何?

演習2  地域をイメージしよう
 1 人を元気にする資源は暮らしの場(地域)にある
 2 地域生活課題は「福祉」だけじゃない
 3 圏域理解は重層的にとらえる


第3章 その人らしい暮らしって何?

演習3 地域住民と当事者の多様な関係の見方
 1 地域住民が当事者を気にかける視点
  解説5 ボランティアのアセスメント視点
  解説6 専門職のアセスメント視点
 2 排除から包摂までの地域住民の揺れをみる

演習4 地域住民と一緒に当事者を支える視点と方法
 3 本人を支える住民を支える
 4 花子さんを支えた経験が地域の福祉力として蓄積される
 5 地域・自治体に必要な4つの条件


第4章 その人らしい暮らしを支える

演習5 地域で暮らしていくための基盤づくり
 1 地域づくりはビジョンから
 2 孤立しがちな人のニーズの理解──4つの要因
 3 「ひとりの課題」を「みんなの課題」へ──2つの過程を生み出す
 4 めざす地域像に近づくために必要なこと・できることのポイントと例示


第5章 当事者・地域住民・専門職が一緒につくる地域福祉とその醍醐味

演習6 当事者・住民主体の活動から学ぼう
 1 セルフヘルプとコミュニティ──当事者・住民による組織的活動
 2 当事者の主体性を大切にする専門職のかかわり
 3 小地域福祉活動は福祉的な住民自治の活動
 4 小地域福祉活動を支援する専門職の視点
 5 専門職が地域に入るときの立場性
  解説7 住民主体と地域の福祉力


第6章 住民主体のコミュニティワークを理解する

演習7 あなたのコミュニティワーク度チェック
 1 コミュニティワークの3つの目標と住民の主体形成
 2 コミュニティワークの基礎理解
 3 コミュニティワークの実践過程と留意点
  解説8 原則的なコミュニティワークの過程──個別支援との対比
 4 コミュニティワークの実践の壁の特性とその場面
 5 日常の実践から専門性をつかみ取るトレーニング


第7章 地域福祉実践のための地域診断

演習8 地域を歩いて観察してみよう
 1 地域を観察するための地域福祉の5つの視点
 2 地域福祉実践における地域診断の領域
 3 地域組織を診断する6つの視点
 4 地域診断の方法


第8章 地域住民と協働してつくる活動・事業の視点と方法

演習9 地域住民が参加する活動・事業の運営
 1 地域住民と協働してつくる活動・事業の留意点
  解説9 活動・事業の評価の視点
 2 過程(プロセス)において地域住民を外さない
 3 活動・事業(プログラム)はニーズだけで組み立てない
 4 活動組織(運営主体)のタイプ別にアプローチを考えよう


第9章 地域づくり支援のプロセスを構造的に把握する

演習10 住民主体の地域づくりプロセスとその支援
 1 実践は複線の相互作用で進む
 2 地域住民が主体的に動く要件──地域生活課題の共有化と協同化
 3 住民のストーリーで考える
 4 プロセスチャートの描き方と活用方法


第10章 地域福祉のネットワークのすすめかた

演習11 あなたのネットワーク度チェック
 1 専門職におけるネットワーキングの発展段階
 2 個人を支えるネットワークのありかた

演習12 あなたやあなたの組織がかかわるネットワークの場を考えてみよう
 3 地域福祉における自治体域のネットワーク
  解説10 地域ケアシステム
 4 地域福祉のネットワークの具体例

演習13 住民と専門職が協働するための会議運営をチェック
 5 住民と専門職が協働するための会議運営の留意点


第11章 地域福祉における社会資源開発の考えかたと方法

演習14 住民との協働によって問題解決を図る視点と方法
 1 会議等の協議の場を運営する
  解説11 地域ケア会議と住民主導のネットワーク会議
 2 協同から社会資源を生み出す
  解説12 社会資源開発の4つの方法
 3 住民の主体性への支援
  解説13 住民と行う社会資源開発
 4 地域福祉の3つの開発領域
  解説14 地域福祉における社会資源開発は権利擁護でもある
  解説15 ネットワーキングとソーシャルアクション


第12章 総合相談支援体制づくりと地域福祉計画

演習15 総合相談支援体制を考えてみよう
 1 総合相談支援体制づくり
 2 ワンストップの連続体から総合支援体制をつくる
  解説16 総合相談支援の2つの流れ

演習16 あなたの自治体の地域福祉計画を点検してみよう
3 法定計画としての地域福祉計画と地域福祉


資料編
  社会福祉法抄録
  福祉専門職が抱える悩みQ&A
  16の視点にもとづくアセスメントシート

さくいん


コラム
 1 地域にかかわるスタンス──障害分野の個別支援ワーカーとして
 2 地域住民の“揺れ”を理解するということ
 3 地域社会で孤立する人と専門職
 4 児童福祉分野からみえる地域支援
 5 当事者という言葉について
 6 地域の宝物(=社会資源)の発見方法
 7 活動を地域に持ち込んだときの失敗談から
 8 地域へ一歩踏み出そう──私の地域への入り方
 9 住民と協働するワーカー8つの極意
 10 住民の話し合いを支援するということ
 11 話し合いの見える化
 12 民生委員・児童委員ってどんな人!?
 13 地域ケア推進会議から資源開発・政策形成へ──朝来市の取り組みから

著者略歴

編:藤井 博志
*2019年10月現在
関西学院大学人間福祉学部教授。社会福祉学博士・社会福祉士

ISBN:9784623086801
出版社:ミネルヴァ書房
判型:B5
ページ数:196ページ
定価:2400円(本体)
発行年月日:2019年10月
発売日:2019年10月11日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JKS