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アスリートは歳を取るほど強くなる

パフォーマンスのピークに関する最新科学

著:ジェフ・ベルコビッチ
訳:船越 隆子

紙版

内容紹介

なぜ年長のアスリートが活躍し続けているのか?
加齢をパフォーマンスの「味方」につける方法に迫る!

若いほどスポーツのパフォーマンスは高いはずなのに、近年では年長のアスリートが
様々な競技で目覚ましい成果を出し、しかもそれを継続している。
その秘密に迫るべく、熟年のオリンピックメダリスト、ワールドカップ出場者はもちろんのこと、
遺伝学者、スポーツ心理学者からシリコンバレーの重鎮まで、あらゆるジャンルの人物に取材。
年齢とともに強くなり続ける新常識を徹底解明。

・年長選手の身体も進化する
・疲労を残さないうちにトレーニングを終える
・脳をだましてトレーニングを効率化する
・低強度でトレーニングをする
・異なるトレーニングを組み合わせることで得られる効果
・フィールドで一番速いのは身体ではない
・瞬発力は必須とは限らない
・精神は歳をとるほど安定する
・シリコンバレーも注目する、身体の若返りに関する研究

人生100年時代にふさわしい、パフォーマンスの最新科学!

目次

はじめに

chapter 1
熟年アスリートの身体も進化し続ける
40歳オーバーのマラソンランナー
無酸素性作業の閾値を上げるテンポ・ラン
有酸素性から無酸素性代謝への切り替えが勝敗を分ける
接地時間が短いほど長く速く走れる
年齢とともに変化する身体
加齢による変化は運動で回復できる
耐久スポーツは研究の最前線
2種類の筋肉とアスリート寿命の関係
マンモスでトレーニングする理由
高地トレーニングは有効かつ高効率

chapter 2
最も疲労を溜めない者こそがプロ
ヤーガーの尋常でないトレーニング量
疲れ知らずの超人的身体が生んだ記録
ハード・トレーニングは著名選手につきもの
ドナルド・ドライバーの無故障伝説
故障は「加速した老化」とも言える
過剰なトレーニングは過ちである
サッカー選手たちの「故障対策」
研究の成果がサッカーに通じない?
練習量を減らすと選手が好調に
バスケットボールに根付いたフェルハイエンの手法
最小のトレーニングで最大の効果を
なぜ人はハード・トレーニングを称賛してしまうのか?

chapter 3
異なるトレーニングの組み合わせで得られる効果
紫帯のサーファー
マーティンズとマーヴェリックスの出会い
年長者がマーヴェリックスを制している
10メートル級の大波が生む恐怖心
身体の僅かな不均衡も正すクロストレーニング
「1万時間の法則」とクロストレーニング
熟年アスリートこそクロストレーニングを活用すべし

chapter 4
脳をだましてトレーニングの効率化を図る
現役延長のプロフェッショナル
マニングの現役を延長するレシピ
現代テニス界の両極を表す二人
ナダルのプレースタイルの代償?
動作の効率性を検証する
アスリートの身体の全部が優秀な訳ではない?
動作の障害を特定して取り除く
身体動作のパターンを科学するP3社
多くの人が埋め合わせ動作をしている


chapter 5
身体の「癖」を科学して怪我を減らす
現役延長のプロフェッショナル
マニングの現役を延長するレシピ
現代テニス界の両極を表す二人
ナダルのプレースタイルの代償?
動作の効率性を検証する
アスリートの身体の全部が優秀な訳ではない?
動作の障害を特定して取り除く
身体動作のパターンを科学するP3社
多くの人が埋め合わせ動作をしている

chapter 6
遺伝的要因は肉体の運命を決めるのか?
23andMeの遺伝的要因検査
遺伝子にみる寿命と選手能力の関係
遺伝的特質を本人がどう受け入れるか
遺伝子情報で怪我のリスクを回避する
アスリートは長寿か短命か?

chapter 7
精神の落ち着きとともに増す安定性
ペンドレルを襲った極度のプレッシャー
瞬発力は必須の能力ではない
アスリートの身体は機械ではない
スポーツを心から楽しめるかどうか
目の前の目標を定め、時にその場で再設定する
自分がコントロールできるものだけに焦点を当てる
年齢を勘案した記録を測る
目標設定がパフォーマンスを向上させる理由
歳を取るほど感情が安定する
テニスでは感情のコントロールがひときわ重要
若さゆえのエモーションが過大評価されている

chapter 8
試合の速度を決めるのは身体ではなく心
フィールドで一番「速い」プレイヤーは誰か?
身体ではなく精神でプレーする
経験で運動量を節約する
「ゆっくりすればスムーズで、スムーズにいけば速くなる」
プレー時間そのものを短縮する
複雑な競技ほど経験が味方する
速く判断できるほど、長くプレーできる?

chapter 9
選手寿命を延ばす栄養学のリアル
コベントリーが唯一口にしないもの
アスリートと疑似科学的栄養学は腐れ縁
食事療法のなかには科学的根拠に乏しいものも
炎症はトレーニングの不可避な過程の一部
筋肉のためにタンパク質だけは必須
食物への反応と遺伝子の関係
アスリートが頼るスクリーニング
ドーピングと熟年アスリート

chapter 10
熟練アスリートが求める運動後の回復メソッド
冷凍部屋で疲労回復
アスリートを回復させるさまざまな「ボックス」
流行としての「回復」
回復のために割く時間の割合
睡眠を極限まで活用する

chapter 11
スポーツ寿命の極限──「修復」「取り替え」「若返り」
スポーツ整形外科手術の進歩
「手術」と「メンテナンス」はどう違うのか?
リハビリも進化する
どんどん気軽になっていく手術
生きた細胞を使って治療する
人類は若返ることができるのか
ペイパルのドンが抱く野望
何のために長生きするのか

おわりに

著者略歴

著:ジェフ・ベルコビッチ
ジェフ・ベルコビッチ(Jeff Bercovici)
ジャーナリスト。『New York times』, 『GQ』への寄稿、『Forbes』シニアエディターを経て、ビジネス誌『Inc.』のサンフランシスコ支社長。科学技術やIT経営者関係を中心に担当している。
訳:船越 隆子
船越 隆子(ふなこし・たかこ)
1957年徳島県生まれ。東京大学文学部英文科卒業。訳書に、『夕光の中でダンス―認知症の母と娘の物語』(オープンナレッジ)、『ブレイキング・ポイント』(小学館)など。
スポーツ観戦が好きで、特にサッカーファン。

ISBN:9784794224156
出版社:草思社
判型:4-6
ページ数:400ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2019年10月
発売日:2019年10月11日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:SC