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講談社文庫

繁あね 美しい女たちの物語

著:山本 周五郎

紙版

内容紹介

繁あねは女のエッセンスである。――山口瞳(作家)

艶やかに、ときに凜とし、ときに意地悪く――。作家が見つめた女という生き方とは。
木場の畔に暮らす作家の私。釣竿をおろす私に突然声をかけてきたのは、繁あねだった。
年は十二、三、妹と二人両親に捨てられ、肌にはひどい腫れ物があり、その生い立ちのため人に対して好戦的であることから、町でもその娘を引き取る者はいなかった。
少女から女に変わる途上の繁あねとの会話を通し浮かび上がる、その生の在り方や人間の美しさ。
表題作「繁あね」のほか、「この女とは一緒にいてはいけない……」そう思い別れた女・おさんへの複雑な思いから、その消息をたずねる男。
おさんは、移り住んだ家に次々に男を引き込んでいると聞くが……。
女の生を通し、人の心、男女の想いのありようを艶やかに描き出した名作「おさん」など。
女性の美しさ、その生の在り方を艶やかに描く名作七篇。

目次

1:おさん
2:三十二刻
3:柘榴
4:つばくろ
5:あだこ
6:蜜柑の木
7:繁あね

著者略歴

著:山本 周五郎
1903年、山梨県に生まれる。本名は清水三十六(さとむ)。小学校卒業後、銀座の質屋で奉公、後に筆名としてその名を借りることになる店主・山本周五郎の庇護のもと、同人誌などに小説を書き始める。1926年、「文藝春秋」に『須磨寺附近』を発表、文壇デビュー。その後、不遇の時代が続くが、時代小説作家として認められはじめる。戦中から戦後まで連載が続けられた『日本婦道記』(1942-1946)で直木賞に推されるが辞退。主な代表作に『樅ノ木は残った』(1958)、『赤ひげ診療譚』(1958)、『青べか物語』(1960)、『おさん』(1961)などがある。1967年、逝去。

ISBN:9784065170137
出版社:講談社
判型:文庫
ページ数:288ページ
定価:640円(本体)
発行年月日:2019年10月
発売日:2019年10月12日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ