NHK出版新書 602
プラトン哲学への旅
エロースとは何者か
著:納富 信留
内容紹介
愛することが哲学だ
えっ!? 紀元前のアテナイでソクラテスと愛について対話する?
当代一のプラトン研究者が、名著『饗宴』を再現して挑む、驚きのギリシア哲学入門書!
本書は、哲学者プラトンの代表作で、古代ギリシア語の散文作品として名高い『饗宴』のなかに、語り手の「私」(「現代からの客人」)が列席し、ソクラテスら演説者たちと「愛(エロース)」をテーマに競演する、類を見ない教養新書である。「哲学(フィロソフィア)」という言葉は「知(ソフィア)」を「愛し求める(フィレイン)」という意味の合成語。哲学=愛であることが、いま明かされる。
目次
まえがき
ペロポネソス戦争時のギリシア
プラトン『饗宴』篇の構成
人物紹介
関連年表
第一話 誘う──アカデメイアに立つ
一つの旅
古代ギリシア
アカデメイアの杜
学園訪問
パピルス巻物
第二話 競う──恋愛とはどんなものか
朗読会
声の連鎖
祝勝宴会
アリストデモスの誘い
ソクラテス登場
愛をめぐる言論
聖なるエロースと世俗のエロース
宇宙的エロース
第三話 求める──欲望は満たされるか
半分になった人間
主役の演説
ソクラテスの問答
エロースは神ではない
欲望としての愛
私たちは何者か?
第四話 出会う──美のイデアを目指して
美の中で出産する
愛の導き
美の上昇
イデアと出会う
洞窟の中で
第五話 乱れる──愛することが哲学だ
アルキビアデス乱入
ソクラテス礼賛
かけがえのない愛
饗宴の幕引き
付録 パロディーの哲学
あとがき