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ジブリ

あのひと

著:マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット
著:谷川 俊太郎

紙版

内容紹介

アニメーション映画監督、
マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットは、
2016年スタジオジブリの提案で、
「レッドタートル ある島の物語」を制作しました。

これは、孤島に流された一人の男が、
亀の化身である女性と出会い、
一生を島で過ごし、やがて死を迎え、
女性は亀の姿に戻り海に帰っていくという物語で、
「人間の限りある時間」と、それと対照的な
「永遠にも匹敵する亀の生きる時間」を、
美しい自然を背景に描いたともいえる
ファンタジーでした。

ケルト文化にも関心が深く、
超自然的な生き物への憧れを抱くマイケル監督は、
この絵本でもやはり
「時間」を超越した存在への憧憬を
一人の女性を探し求める男性の姿を借りて
描いています。

「この物語のヒントは、大好きなアイルランドの詩人
ウィリアム・バトラー・イェーツ (1865-1939)の
“さまよえるイーンガスの歌”にある」と
マイケル監督は語っています。

イェーツもまた、ケルト文化を愛して
不思議な夢想に満ちた詩や物語を書いた
ノーベル文学賞作家です。

イェーツのこの詩を念頭におきながら、
日本の詩人谷川俊太郎は、
マイケル監督の完成度の高い絵に触発されて、
今回の絵本のテキストを綴っています。

そして、一人の男性があこがれ続けた永遠の女性
「あのひと」が、「このひと」になる瞬間を、
見事な詩で書き著し絵本として完成させました。

オランダ人マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットと
日本人の谷川俊太郎が、
アイルランドの詩人イェーツを媒介に
時間を超えてコラボレーションしたともいえるのが
この絵本です。

著者略歴

著:マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット
1953年、オランダ生まれ。スイスとイギリスの美術大学を卒業。スペインでアニメーターとして働いた後、1980年からイギリスに居を構える。その後フリーランスとして複数のスタジオで働き、ディズニー作品「美女と野獣」(1991)「ファンタジア2000」(2000)などに参画する。過去の短編アニメーション監督作品では、「お坊さんと魚」(1994)でアカデミー賞短編アニメーション賞ノミネート、「岸辺のふたり」(「FATHER AND DAUGHTER」)(2000)では同賞を受賞。最新作長編アニメーション映画「レッドタートル ある島の物語」で第69回カンヌ国際映画祭ある視点部門特別賞を受賞。日本で出版されている絵本に、「岸辺のふたり」(くもん出版)、「オスカーとフー」「オスカーとフーいつまでも」(共に評論社)がある。
著:谷川 俊太郎
1931年東京生まれ。詩人。高校卒業後、詩人としてデビュー。1952年第一詩集『二十億光年の孤独』を刊行。 1962年「月火水木金土日の歌」で第四回日本レコード大賞作詞賞、 1975年『マザー・グースのうた』で日本翻訳文化賞、 1982年『日々の地図』で第34回読売文学賞、 1993年『世間知ラズ』で第1回萩原朔太郎賞、 2010年『トロムソコラージュ』で第1回鮎川信夫賞など、受賞・著書多数。 詩作のほか、絵本、エッセイ、翻訳、脚本、作詞など幅広く作品を発表。 近年では、詩を釣るiPhoneアプリ『谷川』や、 郵便で詩を送る『ポエメール』など、 詩の可能性を広げる新たな試みにも挑戦している。

ISBN:9784198649616
出版社:徳間書店
判型:A4変
ページ数:32ページ
定価:2200円(本体)
発行年月日:2019年10月
発売日:2019年10月10日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:YBC
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:YNA
国際分類コード【Thema(シーマ)】 3:XA