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新説 坂本龍馬

著:町田 明広

紙版

内容紹介

あなたの知っている坂本龍馬、フィクションではありませんか?

龍馬の名は、司馬遼太郎の『竜馬がゆく』など伝記小説から広まったため、実像と離れた「伝説」が生まれ、今なおそれが通説となっている。
歴史学者が丹念に史料を読み解くことでわかった龍馬の実像とは⁉
龍馬は薩摩藩士? 薩長同盟に龍馬は無関係? 亀山社中はあったのか? 大政奉還は龍馬のアイディア? など、新知見が満載。
「英雄フィルター」を外してみれば、龍馬の真価が見えてくる。

――(本書「はじめに」より)
私は、明治維新史を専門としているが、その主な対象は幕末政治史であり、さらに絞り込めば、薩摩藩を中心に研究を行っている。その他にも、攘夷といった対外認識論(外国に対する考え方、世界観)にもアプローチしている。そうした中で、とくに前者の研究において、龍馬の存在はきわめて重要である。しかし、史料にあたっていくと通説と違った龍馬の動向が散見され、過大評価された部分も少なくないと感じる。一方で、過小評価されていた部分も発見した。これは、龍馬の価値を高めることとなるだろう。こうした新しい龍馬を提示したい。

――(目次より抜粋)
1章 龍馬の生い立ちと江戸修行―人格形成の秘密
2章 安政期の政情と二度目の出府―剣術修行と千葉佐那
3章 土佐勤王党と志士龍馬の誕生―武市半平太と間崎哲馬
4章 久坂玄瑞と島津久光の率兵上京―第一次脱藩への影響
5章 松平春嶽、勝海舟、大久保忠寛との邂逅―第一次脱藩前後の龍馬
6章 神戸海軍操練と第二次脱藩―龍馬の海軍構想とは
7章 薩摩藩士・坂本龍馬の誕生―薩長融和周旋の開始
8章 「西郷すっぽかし事件」と名義借り―龍馬の実像探索
9章 龍馬の長州藩派遣と薩長融和の促進―交渉人龍馬の凄み
10章 盟友・近藤長次郎とユニオン号事件―亀山社中はなかった!
11章 「小松・木戸覚書」の成立と意義―薩長同盟伝説を撃つ
12章 寺田屋事件の実相とその後の政情―龍馬暗殺の伏線
13章 龍馬社中と土佐藩復帰―薩摩藩士・土佐藩士の二面性
14章 海援隊と薩土盟約―龍馬の功績とその実相
15章 大政奉還と龍馬暗殺―幕末史上の大事件は何が謎なのか?

■著者略歴
町田明広(まちだ あきひろ)1962年、長野県生まれ。神田外語大学准教授・日本研究所副所長。明治維新史学会理事・事務局長。上智大学文学部・慶應義塾大学文学部卒業、佛教大学大学院文学研究科博士後期課程修了。著作に『島津久光幕末政治の焦点』(講談社選書メチエ)、『攘夷の幕末史』(講談社現代新書)、『グローバル幕末史』(草思社)、『薩長同盟論』(人文書院)などがある。

ISBN:9784797680454
出版社:集英社インターナショナル
判型:新書
ページ数:272ページ
定価:900円(本体)
発行年月日:2019年10月
発売日:2019年10月05日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DNB