古代日本の国家と土地支配
著:松田 行彦
紙版
内容紹介
古代にあって人と土地との関係は、どのようなものであったのか。在地社会の土地慣行を復原し、そこに住む人びとに律令制国家がいかに関与したのかを追究する。班田収授法の理解に必要な大宝田令条文を、唐の土地制度と比較して分析。土地という”場”をめぐる問題を、経済的土地所有関係だけでなく、人と国家との関係で明らかにする注目の一冊。
目次
凡例/序章 問題の所在と本書の構成/日本古代における国家的土地支配(判 と「毀」〈「毀」の売券の二類型と古代土地売券の特質/「国判立券」と国家的土地支配/売券と国家的土地支配〉/「無券文」〈無券文相続/無券文売買〉/「常地」を切る〈「弘仁十年十一月五日格」をめぐる法史料とその性格/弘仁十年十一月五日太政官符の内容と限界/右京職解と天長四年宣/古代土地売券にあらわれた「常地」〉以下細目略/古代日本の「本主」/田籍と田図)/唐日田令の条文構成と大宝田令諸条の復原(唐開元二十五年田令の復原と条文構成/日本田令の構成史的位置/大宝田令六年一班条/大宝田令口分条の「五年以下不レ給」)/終章 律令制国家の成立と土地支配