出版社を探す

内山節と読む 世界と日本の古典50冊

著:内山 節

紙版

内容紹介

1960年後半、学生運動の時代に高校生活を送った内山節は、大学に行かず、独学によって哲学を学び、自然と人間の関係、時間や共同体をめぐる独自の思想を構築していった。本書は著者の思想形成とかかわりの深い選りすぐりの50冊を、地域から社会をつくり直すという今日的視点から読み直したものである。哲学・思想、政治・経済・社会、科学論・技術論・労働論、文学・紀行・評伝、宗教と多岐にわたる古典の読書案内であるとともに、内山の読書術や思想の背景を知る手がかりともなる。

目次

はじめに
いま、どのような姿勢で古典を読むか

I 哲学・思想
『シュルレアリスム宣言』アンドレ・ブルトン
『自殺について』ショーペンハウエル
『自由からの逃走』エーリッヒ・フロム
『歴史とは何ぞや』エルンスト・ベルンハイム
『遠近の回想』レヴィ=ストロース/ディディエ・エリボン
「フォイエルバハについてのマルクス」カール・マルクス
『過渡期の意識』梅本克己
『革命か反抗か』カミュ=サルトル論争
『科学と近代世界』A・N・ホワイトヘッド
『ユダヤ人問題によせて』カール・マルクス
『革命論集』オーギュスト・ブランキ
『老子』
『風土』和辻哲郎
『古い医術について』ヒポクラテス
『経済学哲学草稿』カール・マルクス

II 政治・経済・社会
『政治算術』ウィリアム・ペティ
『アメリカの民主政治』アレクシ・ド・トクヴィル
『戦争論』K ・V・クラウゼヴィツ
『経済表』フランソワ・ケネー
『職業としての政治』マックス・ヴェーバー
『共産党宣言』カール・マルクス/フリードリヒ・エンゲルス
『西欧中世の自然経済と貨幣経済』マルク・ブロック
『コミュニティ』R・M・マッキーヴァー
『農業の基本的価値』大内力
『自由地と自由貨幣による自然的経済秩序』シルヴィオ・ゲゼル
『コモン・センス』トーマス・ペイン
『恐慌論』宇野弘藏

III 科学論・技術論・労働論
『技術論』武谷三男
『科学的管理法』F・W・テーラー
『人間と労働の未来』中岡哲郎
『洪水と治水の河川史』大熊孝
『自然保護を問いなおす』鬼頭秀一
『労働と労働者の歴史』ジョルジュ・ルフラン
『技術の誕生』ヘンリー・ホッジス
『トヨタ生産方式』大野耐一

IV 文学・紀行・評伝など
『近代日本人の発想の諸形式』伊藤整
『武蔵野』国木田独歩
『利根川図志』赤松宗旦
『日本の民家』今和次郎
『信長公記』太田牛一
『秩父事件 自由民権期の農民蜂起』井上幸治
『日本唱歌全集』井上武士編
『日暮硯』

V 宗教・信仰
『歎異抄』唯円
『チベットの死者の書』
『日本霊異記』景戒
『一遍上人語録』
『往生要集』源信
『選択本願念仏集』法然
『般若心経』
『維摩経』
『華厳経』

おわりに

著者略歴

著:内山 節
1950年、東京生まれ。東京都立新宿高等学校卒業。哲学者。1970年代から東京と群馬県上野村を往復しながら暮らす。むら人の暮らしの考察をとおして、自然と人間との関係、仕事と労働、時間や共同体などをめぐって、独自の思想を構築する。立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科教授(2010年4月~2015年3月)などを歴任。NPO法人・森づくりフォーラム代表理事。『かがり火』編集人。主な著書は『内山節著作集』(全15巻、農文協)に収録されている。最近の著書として『日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか』(講談社現代新書)、『いのちの場所』(岩波書店)、『修験道という生き方』(共著、新潮選書)などがある。

ISBN:9784540191497
出版社:農山漁村文化協会
判型:4-6
ページ数:392ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2019年10月
発売日:2019年10月19日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DSRC
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:VSL