二見文庫
フルベッキ写真の正体 孝明天皇すり替え説の真相
著:斎藤 充功
内容紹介
150年前の “ 謎の写真 ” の真実と歴史の裏面――
「フルベッキ写真」には坂本龍馬や西郷隆盛などの幕末の英傑、さらには明治天皇の “ 替え玉 ” もうつってはいなかった!?
維新成立の闇と謎を解き明かす衝撃のノンフィクション!
近代史を揺るがせた古写真の真実――!
維新の闇と明治天皇の死の謎を説く手がかりとは?
写真にうつっている人々はいったい何者なのか?
すり替えられた天皇はうつっていたのか?
ある幕末写真の真相を読み解く歴史ノンフィクション・ミステリー!
伊藤博文を暗殺した安重根は天皇が暗殺されたことを知っていた?
フルベッキは写真の「44人」の名前をなぜ記さなかったのか?
はじめてパパラッチされた天皇とは?
ハルビン、旅順、田布施、すり替わったとされる天皇の生家、
古写真のルーツ、フルベッキの孫、長崎、大分――
中国と日本、さまざまな土地や人を訪ねて著者が辿りついた結論とは?
◆ 著者について
斎藤充功(さいとう みちのり)
1941年東京市生まれ。ノンフィクション作家。東北大学工学部中退。
主な著書に『脱獄王 白鳥由栄の証言』(幻冬舎)、『日台の架け橋・百年ダムを造った男』(時事通信出版局)、
『消された「西郷写真」の謎 写真がとらえた禁断の歴史』(学研パブリッシング)、『スパイアカデミー 陸軍中野学校』(洋泉社)、
『日本のスパイ王 陸軍中野学校の創設者・秋草俊少将の真実』(学研プラス)、『3650 死刑囚小田島鐵男モンスターと呼ばれた殺人者との10年間』(ミリオン出版)、
『恩赦と死刑囚』(洋泉社)、その他多数。
目次
プロローグ …… 3
第一章 六発の銃声 …… 23
三度目のハルビン
ホームに残された「伊藤博文」暗殺ポイント
響き渡った六発の銃声
助役から聞いた「食堂の謎」
画家・小松利宗と安重根
迫真の法廷スケッチ
「伊藤博文罪状十五ヵ条」の衝撃
犯人は本当に安重根だったのか──?
第二章 旅順の地を踏んで …… 61
旅順に護送された安重根
目まぐるしく変わった租借地
百年前の安重根裁判
法廷は混乱し、騒然となった
伊藤博文「謀殺」の黒幕は誰か──?
第三章 『幕末維新の暗号』という誘惑 …… 83
日本版「ダ・ヴィンチ・コード」
作中における杜撰な人物比定
謎の人物・大室寅之祐
第四章 奇書を巡る旅 …… 99
鬼塚英昭という「怪人」と「田布施シンジケート」
鹿島曻の後継者・松重楊江
明治天皇「すり替え」説と伊藤博文の暗躍
「西円寺」に大室寅之祐の出生の謎を解く鍵はあるのか──?
孝明天皇「暗殺説」の傍証
安重根に「孝明天皇暗殺」の情報を吹き込んだのは誰か?
明治天皇を叱った西郷隆盛
「フルベッキ群像写真」を科学的手法で鑑定する試み
第五章 フルベッキの孫とされたキーパーソン …… 147
長崎新聞の誤報がもたらした思わぬ成果
フルベッキ写真の陶板額ビジネス
もう一枚の「フルベッキ写真」
「私はフルベッキさんとは関係ないんですから……」
第六章 法人類学はフルベッキ写真をどう判定するのか …… 169
ついに明らかになった「フルベッキ群像写真」最大の謎
古写真が示唆する大本教と頭山満のミステリアスな関係
ニセの付加価値がつけられた哀しき写真の運命
坂本龍馬も勝海舟も、やはり写っていなかった──
第七章 明治天皇、最初の写真は「パパラッチ」された── …… 203
出自不明の一枚の写真
スティルフリートという外国人が無断で天皇を撮影
高額の金で回収されたパパラッチ写真
第八章 『明治維新の生贄』で語る宮崎鉄雄の妄想 …… 223
渡辺魁は脱獄判事だった!
「無期懲役囚が脱獄して裁判官になった」
「地獄ヤマ」からの脱獄
戸籍を改竄し「辻村庫太」に成りすます
脱獄判事の命運尽きる──
「伊藤博文=孝明天皇暗殺・下手人説」の信憑性
鹿島曻が描いてみせた皇位継承のブラックボックス
エピローグ …… 251
ハルビン事件から明治天皇「すり替え」説へ
幕末・明治維新とはどんな時代であったのか
あとがき …… 264
文庫版あとがき …… 268