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福岡地方史研究 57号

編:福岡地方史研究会

紙版

内容紹介

特集は「東アジアの中の福岡・博多Ⅲ」。北部九州は、地政学的な観点から見ても、大陸と韓半島に影響されざるを得ない宿命にある。東アジアの中の大陸と半島と列島は、交流し衝突し離反し対立するという歴史を刻んできたが故に、その親近性は憎悪や蔑視や韜晦以上に密なのである。現在の日韓関係の悪化も政治指導者や官僚たちの抽象的な言葉を、大衆的な親近性による言葉へ対置することで、情況は大きく変わるだろう。歴史はその方法を、必ずどこかに用意している。(司)
【特集】名島・雁ノ巣飛行場と福岡市/幻のオリンピック・ガネフォ/前畑遺跡(筑紫野市)と大宰府防衛:元寇に備える防衛拠点侍島の考察/在野の碩学・中島利一郎:「令和」改元を機に「光文事件」をふりかえる/一~三世紀の倭人と倭種について:「魏志倭人伝」を読む/百済紀行(上):日韓交流の記憶を求めて、ほか

目次

絵葉書でたどる福岡の歴史⑱ 絵葉書帳と写真帳(石瀧豊美)
【巻頭言】『昭和天皇実録』と『明治天皇紀』(石瀧豊美)
【特集】東アジアの中の福岡・博多 Ⅲ
 [特集にあたって]
 講演:名島・雁ノ巣飛行場と福岡市(柴多一雄)
 幻のオリンピック・ガネフォ(浦辺 登)
 前畑遺跡(筑紫野市)と大宰府防衛:元寇に備える防衛拠点侍島の考察(鷺山智英)
 間違えられた家老の写真と福岡藩の秘密神事・鎮火祭火魔封火打釘(大林憲司)
 在野の碩学・中島利一郎:「令和」改元を機に「光文事件」をふりかえる(石瀧豊美)
 一~三世紀の倭人と倭種について:「魏志倭人伝」を読む(中村修身)
 百済紀行(上):日韓交流の記憶を求めて(師岡司加幸)
【論文】
 筑前筑後肥前肥後探索書・讃岐伊予土佐阿波探索書について:書誌学的考察と描画法の分析から(西田 博)
 福岡藩馬廻組百三十石杉山家の幕末維新(坂上知之)
 幕末佐賀藩におけるいわゆるアームストロング砲の製造をめぐって(二):田中久重と石黒直寛関係史料および文献からのアプローチ(河本信雄)
【随想】古文書蒐集折々譚 その3:文禄堂二代目相浦安彦氏のこと(宮 徹男)
【書評】偶発した事件ではなかった修猷館占拠:『修猷館投石事件』(師岡司加幸)
【本の紹介】丸山雍成『前近代日本の交通と社会』/宮地英敏『明治最大の政変劇の内幕』(石瀧豊美)
短信往来▼今村公亮/大林憲司/西田 博/馬場崎由美/濱田周作/山下龍一
編集後記/例会卓話記録

著者略歴

編:福岡地方史研究会
福岡地方史研究会は、1962年の発足。福岡にあって地方史や郷土史に関心を持つ人々によって結成された、民間の自主的な研究団体。発足以来、学界と在野の交流によって相互に情報を交換し、会員個々が研究を重ね研鑽を積む。研究テーマは地方史に限らず、広く文化史・社会史・民俗学に及び、対象となる時代も原始・古代・中世・近世・近現代と各時代の研究者が所属。有志による「古文書を読む会」の活動は『福岡藩朝鮮通信使記録』の刊行に結実し、2001年2月、福岡県文化賞を受賞。月1回の定例研究会を開き、年1冊会報(本誌)を発行する。

ISBN:9784910038070
出版社:花乱社
判型:A5
ページ数:166ページ
価格:1500円(本体)
発行年月日:2019年09月
発売日:2019年09月10日