内容紹介
アメリカ合衆国を発祥の地とし、発展してきた言語人類学を、学部生、大学院生、また言語人類学に馴染みのない研究者に紹介する概説書。言語と文化の密接かつ不可分な関係性を代表的エスノグラフィ研究の紹介を通して紐解きつつ、ことばの使用実践からうかびあがる多様な言語観・世界観を明らかにする。その上で、言語人類学が問い続けてきた解放的ことば観を論じ、変わりゆく文化社会を捉えるための視座を提供する。
目次
はじめに
第Ⅰ部 言語人類学の出発点
第1章 言語人類学とはどのような学問か
第2章 言語相対論とその後の潮流
第3章 言語人類学の調査方法
第Ⅱ部 「ことば」を問い直す
第4章 文化としてのことば―コミュニケーションの民族誌
第5章 言語人類学からみる発話―日英語比較の視点から
第6章 ことばを身につける―言語社会化
第Ⅲ部 拡大するフィールド
第7章 変容する社会を捉える
第8章 指標性から読み解く対立・差別・不調和
第9章 メディアとコミュニケーション
参考文献
索引
執筆者紹介
著者略歴
著:井出 里咲子
筑波大学大学院人文社会系国際日本研究専攻准教授
[主な著書]「第9章 ことばの研究における自己観と社会思想―場の理論からの展望」『三層モデルでみえてくる言語の機能としくみ』(開拓社、2017 年)、『出産・子育てのナラティブ分析―日本人女性の声にみる生き方と社会の形』(大阪大学出版会、2017 年、共著)
著:砂川 千穂
元日本学術振興会特別研究員(PD)
[主な著書]「第5 章 空間をまたいだ家族のコミュニケーション―スカイプ・ビデオ会話を事例に」『コミュニケーションを枠づける―参与・関与の不均衡と多様性』(くろしお出版、2017 年)、Chapter 6.Bodily shadowing: Learning to be an orchestral conductor. Time in Embodied
Interaction: Synchronicity and Sequentiality of Multimodal Resources. John Benjamins Publishing Company. 2018.
著:山口 征孝
神戸市外国語大学国際関係学科准教授
[主な著書]Approaches to Language, Culture, and Cognition: The Intersection of Cognitive Linguistics and Linguistic Anthropology(Palgrave MacMillan,2014、共編)、「聞き手の参与枠組み再考―聞き手役割のモデル化の有用性」『聞き手行動のコミュニケーション学』(ひつじ書房、2018 年)
ISBN:9784894769656
。出版社:ひつじ書房
。判型:A5
。ページ数:264ページ
。定価:2400円(本体)
。発行年月日:2019年07月
。発売日:2019年08月26日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VSL
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:DS。