ブルーバックス
我々は生命を創れるのか
合成生物学が生みだしつつあるもの
著:藤崎 慎吾
紙版
内容紹介
生命とは何か? それはどこで、どのようにして生まれたのか?
この「究極の謎」に、人類はいまだに答えられていない。
だが近年、「生命の起源」をさがす研究は大きな動きをみせている。
たとえば、生命誕生の地は従来、「海」が最有力とされてきたが、
最近では「陸」が、さらには「宇宙」が支持を集めつつあり、
「宇宙生物学」といわれる分野で活発な研究が進められている。
その一方では、「生命の起源がわからないなら、つくってしまおう」
という考え方が現れた。時計の仕組みを知るためにまず時計をつくってみて、
そこから仕組みを考えるように、まず「生命の起源」をつくろうという発想だ。
これが、現在の生命科学で最も注目されている「合成生物学」である。
その発展は目ざましく、「5年以内」に人工生命の実現をめざす研究者もいる。
そのとき我々は、その「生命」を「生命」と認めることができるのだろうか?
研究室で「生」と「死」の試作を続ける最先端の科学者たちは、
「生命」をどのように考えているのだろうか?
科学だけでは割り切れない「究極の謎」に、気鋭の作家が挑む渾身作!
(本書の主な内容)
●「がらくた生命」は存在するのか?
●キッチンでつくれる「人工細胞のレシピ」
●光合成をして「成長」する人工細胞の登場
●フランケンシュタインの大腸菌
●人工細胞・人工生命の「慰霊碑」
●生命に刻まれた宇宙の非対称性 ほか
目次
本書の起源
第一章「起源」の不思議
第二章「生命の起源」を探す
第三章「生命の起源」をつくる
第四章「生命の終わり」をつくる
第五章「第二の生命」をつくる
本書の未来