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ブルーバックス

我々は生命を創れるのか

合成生物学が生みだしつつあるもの

著:藤崎 慎吾

紙版

内容紹介

生命とは何か? それはどこで、どのようにして生まれたのか?
この「究極の謎」に、人類はいまだに答えられていない。

だが近年、「生命の起源」をさがす研究は大きな動きをみせている。
たとえば、生命誕生の地は従来、「海」が最有力とされてきたが、
最近では「陸」が、さらには「宇宙」が支持を集めつつあり、
「宇宙生物学」といわれる分野で活発な研究が進められている。

その一方では、「生命の起源がわからないなら、つくってしまおう」
という考え方が現れた。時計の仕組みを知るためにまず時計をつくってみて、
そこから仕組みを考えるように、まず「生命の起源」をつくろうという発想だ。
これが、現在の生命科学で最も注目されている「合成生物学」である。
その発展は目ざましく、「5年以内」に人工生命の実現をめざす研究者もいる。

そのとき我々は、その「生命」を「生命」と認めることができるのだろうか?
研究室で「生」と「死」の試作を続ける最先端の科学者たちは、
「生命」をどのように考えているのだろうか?
科学だけでは割り切れない「究極の謎」に、気鋭の作家が挑む渾身作!

(本書の主な内容)
●「がらくた生命」は存在するのか?
●キッチンでつくれる「人工細胞のレシピ」
●光合成をして「成長」する人工細胞の登場 
●フランケンシュタインの大腸菌
●人工細胞・人工生命の「慰霊碑」
●生命に刻まれた宇宙の非対称性 ほか

目次

本書の起源
第一章「起源」の不思議
第二章「生命の起源」を探す 
第三章「生命の起源」をつくる
第四章「生命の終わり」をつくる
第五章「第二の生命」をつくる
本書の未来

著者略歴

著:藤崎 慎吾
ふじさき・しんご 1962年、東京都生まれ。米メリーランド大学海洋・河口部環境科学専攻修士課程修了。科学雑誌『ニュートン』編集室に約10年間在籍。英科学誌『ニューサイエンティスト』に寄稿していたこともある。1999年に『クリスタルサイレンス』(朝日ソノラマ)で作家デビュー。早川書房「ベストSF1999」国内篇1位となる。現在はフリーランス。ノンフィクション作品には生命の起源に関連した『辺境生物探訪記』(共著・光文社新書)のほか『深海のパイロット』(同前)、『日本列島は沈没するか?』(共著・早川書房)がある。小説には『ハイドゥナン』(早川書房)、『鯨の王』(文藝春秋)など多数。

ISBN:9784065167786
出版社:講談社
判型:新書
ページ数:320ページ
定価:1100円(本体)
発行年月日:2019年08月
発売日:2019年08月22日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PDZ
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:PS