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岩波新書

奴隷船の世界史

著:布留川 正博

紙版

内容紹介

その犠牲者は、1000万人――400年にわたり大西洋上で繰り広げられた奴隷貿易の全貌が、歴史家たちの国境を越えた協力によって明らかになってきた。この「移動する監獄」で、奴隷はいかなる境遇に置かれたのか。奴隷貿易と奴隷制に立ちむかったのはどんな人たちか。闇に閉ざされた船底から、近代をとらえなおす。

目次

はじめに――ロビンソン・クルーソーの奴隷貿易

第1章 近代世界と奴隷貿易
 一 奴隷制の世界史的意味――エリック・ウィリアムズの問い
 二 奴隷貿易の歴史的起源
 三 明らかになる四〇〇年の貿易実態――歴史学の新たな挑戦
 四 アシエント奴隷貿易が意味するもの

第2章 奴隷船を動かした者たち
 一 「移動する監獄」――奴隷船の構造と実態
 二 奴隷となったアフリカ人たち――人身売買,中間航路,叛乱
 三 船長と水夫
 四 奴隷商人とエージェント――奴隷船を操る者たち

第3章 奴隷貿易廃止への道
 一 サマーセット事件から始まる
 二 アボリショニズムの展開――クウェイカー教徒とイギリス国教会福音主義派
 三 奴隷貿易廃止キャンペーンと砂糖不買運動
 四 ハイチの奴隷叛乱
 五 イギリスの奴隷貿易廃止
 六 在英黒人とシエラ・レオネ植民地
 七 奴隷貿易の終焉

第4章 長き道のり――奴隷制廃止から現代へ
 一 奴隷制廃止へ
 二 奴隷から移民へ――一九世紀の人流大転換
 三 おわりに

あとがき

主要参考文献

著者略歴

著:布留川 正博
布留川正博(ふるがわ まさひろ)
1950年,奈良県生まれ.1973年,大阪大学基礎工学部卒業.民間企業勤務を経て,同志社大学大学院経済学研究科博士後期課程退学.同志社大学経済学部助手,専任講師,助教授を経て,
現在―同志社大学経済学部教授
専攻―大西洋奴隷貿易史,近代奴隷制史
著書―『世界経済史――世界資本主義とパクス・ブリタニカ』(共著,ミネルヴァ書房),『近代世界と奴隷制――大西洋システムの中で』(共著,人文書院),『岩波講座世界歴史15 商人と市場』(共著,岩波書店),『グローバリゼーションとアジア――21世紀におけるアジアの胎動』(編著,ミネルヴァ書房),『世界経済の興亡200年』(共著,東洋経済新報社)ほか

ISBN:9784004317890
出版社:岩波書店
判型:新書
ページ数:260ページ
定価:900円(本体)
発行年月日:2019年08月
発売日:2019年08月23日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB