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食べ物の民俗考古学

木の実と調理道具

著:名久井 文明

紙版

内容紹介

木の実の乾燥・備蓄、それを割った石器や「あく抜き」、初期の木製甑の使い方など、縄紋時代以降の人びとは食べ物をどのように処理し、利用してきたのか。出土遺物が形成された背景を、これまでの考古学が研究対象にしてこなかった全国各地に残る民俗事例を参照して追究する。生活道具をテーマにした姉妹篇とともに、「民俗考古学」の地平を広げる。

目次

まえがき/食料の乾燥処理、備蓄(クリの乾燥、備蓄〈縄紋時代例と現代例を結ぶ「搗栗」/クリに針で糸を通し、下げて乾燥させる文化/1万3000年前の人が作った搗栗―再現実験から/クリの「いが剥き」〉以下細目略/「どんぐり」の乾燥、備蓄/トチの乾燥、備蓄/炉上の乾燥空間利用)/木の実を搗いた「搗き台石」(縄紋時代の石臼/「搗き台石」の諸態様/旧石器人が残した小さなサークル―旧石器時代にもあった「搗き台石」)/硬い木の実や種を割った石器(民俗事例に見るクルミの利用/硬い木の実を割った鉄器以前の石器)/「あく」抜き技術の開発史―試論(4種に分類される民俗事例の「あく抜き」技術/「あく抜き」技術の起源探究)/甑以後のこと(甑の終焉/さな蒸し)/民俗考古学的研究方法/あとがき/引用文献

著者略歴

著:名久井 文明
1942年、東京都生まれ。1965年 國學院大學文学部史学科卒業。現在 物質文化研究所一芦舎代表、日本考古学協会会員、日本民具学会会員 ※2019年10月現在
【主要編著書】『九十歳 岩泉市太郎翁の技術』(一芦舎、1995)、『樹皮の文化史』(吉川弘文館、1999)、『山と生きる 内間木安蔵家の暮らし』(共著、一芦舎、2001)、『伝承された縄紋技術』(吉川弘文館、2012)

ISBN:9784642082044
出版社:吉川弘文館
判型:A5
ページ数:208ページ
定価:4500円(本体)
発行年月日:2019年10月
発売日:2019年10月03日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBCC