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岩波科学ライブラリー 687

南の島のよくカニ食う旧石器人

著:藤田 祐樹

紙版

内容紹介

日本の人類史でもっとも古く、長く、そして謎の多い旧石器時代。何万年もの間、人々はいかに暮らしていたのか。えっ、カニですか……!? ウナギを釣り、貝のビーズでおしゃれして、旬のカニをたらふく食べる。沖縄の洞窟遺跡の膨大な遺物から見えてきた、旧石器人のなんとも優雅な生活を、見てきたかのようにいきいきと描く。

目次

はじめに
年表
地図


1 むかしばなしの始まり――人類誕生,そしてヒトは沖縄へ
 新参者の私たち/アフリカからの偉大な旅/旧石器時代のヒトと暮らしを考える/主人公はどんな姿か?/なぜか沖縄で見つかる旧石器人/港川人――1970年代の大発見/骨から考える旧石器時代/豊かな森の厳しい暮らし?/なぜ島にとどまったのか
 ◆コラム 山下町第一洞穴遺跡

2 洞窟を掘る――沖縄に旧石器人を求めて
 鍾乳洞で遺跡を探す/最初の調査,ハナンダガマ/次は武芸洞/穴があったら入りたい人たち/そしてサキタリ洞へ/カニ,カニ,カニ,カニ/掘り続ける日々/人骨が出た!?/年代測定の難しさ/おそろしく悩ましい決断/嬉しい誤算
 ◆コラム 遺物の古さを測る方法
 ◆コラム 見つけてしまったお墓

3 カニとウナギと釣り針と――旧石器人が残したもの
 沖縄で旧石器を見つけた!/またしてもカニ/貝は割れていた/旧石器人のビーズ/世界最古の釣り針発見!/釣ったはずの魚を探せ/魚の捕まえ方/食べたもの,食べられなかったもの/どうして焼けるのか/きれい好きな旧石器人?/夜の川沿いの動物たち/ヘビやトカゲも食べた!?/小動物のある食卓
 ◆コラム 魚介類を味わう人々

4 違いのわかる旧石器人――「旬」の食材を召し上がれ
 食べるべきイノシシは山ほどいる/大きなモクズガニの謎/カワニナから季節がわかる!?/黒いカワニナは焼けていた/やっぱり秋だった!/季節に合わせた採食戦略
 ◆コラム カワニナを食べる人々

5 消えたリュウキュウジカの謎
 沖縄の絶滅シカたち/ヒトが食べた証拠はないか/6000年で絶滅/島に暮らすうちに小型化?/長寿の島の長寿のシカ/そこにヒトがやってきた
 ◆コラム 石垣島の旧石器人

6 むかしばなしはまだ続く
 サキタリ洞むかしばなし/厳しい暮らし? おいしい暮らし?/石器はどうして見つからないのか/旧石器人は生き続けたか/冬になり,そしていずこへ……?


参考文献
写真提供

ISBN:9784000296878
出版社:岩波書店
判型:B6
ページ数:148ページ
定価:1300円(本体)
発行年月日:2019年08月
発売日:2019年08月26日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ-JP-H