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もえぎ草子

著:久保田 香里
画:tono

紙版

内容紹介

12歳の少女・萌黄は、育ての親の叔母が遠国に行くことになったのを機に、中宮のための役所・職御曹司(しきのみぞうし)で、下働きをはじめる。別れぎわ、叔母は萌黄に「お前の父さんがつくったものだよ」といって、白い紙を預けてくれるが、萌黄には父の記憶はない。
先輩の瑞木(みずき)や、庭で暮らす木守(こもり)の親子、牛飼い見習いの幼なじみとともに、充実した日々を送るが、父から預かった紙を、「清少納言から盗んだ」と勘違いされ、職御曹司を追い出されてしまう。
途方に暮れるなかで、路上で歌をうたって日銭を稼ぐ紅葉と出会い、ともに暮らしはじめる。しかし、突然の別れがあり……。

萌黄は、清少納言が藤原行成に送る手紙を届けたり、枕草子の一説を読んでもらったり、書き損じの紙を集めたりするなかで、言葉が紙を通じて広がっていくことの不思議を知る。そして次第に、紙というものに惹かれていく。

歴史のなかでたくましく生きる、名もない庶民を描きつづけてきた久保田さんが次に描くのは、平安時代に土を踏みしめて力強く生きた人々。枕草子から着想を得た、枕草子の裏側にあったかもしれない、一人の少女の物語。

著者略歴

著:久保田 香里
岐阜県生まれ。『青き竜の伝説』で第3回ジュニア冒険小説大賞・大賞(岩崎書店より刊行)。『氷石』(くもん出版)で第38回日本児童文芸新人賞を受賞。ほかに『緑瑠璃の鞠』(岩崎書店)、『根の国物語』『天からの神火』(文研出版)、『駅鈴』(くもん出版)がある。長野県在住。
画:tono
イラストレーター。2015年ごろより活動。装画や挿絵を手がけた書籍に、小山 洋典『吾輩が猫ですか!?』(マイナビ出版ファン文庫)、白河三兎『他に好きな人がいるから』(祥伝社)などがある。

ISBN:9784774329284
出版社:くもん出版
判型:4-6
ページ数:272ページ
定価:1500円(本体)
発行年月日:2019年07月
発売日:2019年07月24日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:YFB
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ