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岩波現代文庫 学術408

ボンヘッファー 反ナチ抵抗者の生涯と思想

著:宮田 光雄

紙版

内容紹介

キリスト教神学者でありながら、反ナチ抵抗運動の一員としてヒトラー暗殺計画に加わり、ドイツ敗戦直前に強制収容所で処刑されたディートリヒ・ボンヘッファー(1906―45)。生命を賭して時代への抵抗を貫き、若くして殉教への道を選んだのは、なぜか。新たな知見も交えながら、その生涯と思想の意味を現代に問う。

目次

まえがき


Ⅰ 生 涯

第1章 ボンヘッファーの生涯
 1 生い立ちからドイツ教会闘争まで
 2 反ナチ抵抗運動の只中で
 3 最後の日々
 4 即決裁判の真相と司法的復権

第2章 時代精神の状況分析――「一〇年後に」を読む
 1 時代の精神状況――知識人の諸類型
 2 愚かさについて――呪縛された民衆
 3 市民的勇気ということ

第3章 「獄中詩」における自己分析
 1 「私は何ものなのか」
 2 「自由にいたる途上の諸段階」
 3 「良き力あるものに守られて」


Ⅱ 思 想

第4章 信仰の服従のために――『服従』を読む
 1 《安価な恵み》と《高価な恵み》
 2 《山上の説教》の釈義
 3 教会と服従――《ノンコンフォーミズム》の拠点

第5章 《責任倫理》を生きる――『倫理』を読む(1)
 1 全集版『倫理』改訂――《探偵まがい》の編集作業
 2 《究極的なもの》と《究極以前のもの》
 3 《自然的なもの》――人権の神学的根拠

第6章 政治的抵抗の神学構想――『倫理』を読む(2)
 1 《責任倫理》の構造――ウェーバーとの対論
 2 政治の論理と倫理――マキャヴェリとの対論
 3 抵抗運動と摂理信仰――ヒトラーと対比して

第7章 《真のこの世性》を問う――『獄中書簡集』を読む
 1 《成人した世界》
 2 《非宗教的キリスト教》とは何か
 3 《真のこの世性》を生きる


Ⅲ 遺 産

第8章 ボンヘッファーと日本
 1 ボンヘッファーの天皇制批判
 2 ナチ・ドイツにおける日本認識
 3 《暗号》解読の一つの試み――日本の視点から
 4 ボンヘッファーの問いかけるもの

付論 祈ることと正義を行なうこと――ボンヘッファーの生誕一〇〇年の記念に


主要な参考文献
岩波現代文庫版あとがき

ISBN:9784006004088
出版社:岩波書店
ページ数:368ページ
定価:1620円(本体)
発行年月日:2019年07月
発売日:2019年07月17日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QRMB