はじめて出逢う世界のおはなし
パストラル
ラミュ短篇選
著:シャルル・フェルディナン・ラミュ
訳:笠間 直穂子
紙版
内容紹介
ごろごろする石。乾いた土。ながれる川の、吹いてくる風の、音。土や緑の、山羊や牛の、マッチの、におい。遠くないところで戦争があり、でもここには、べつの戦いがある。べつの剝きだしの生が、ある。
(帯文/小沼純一)
「火でも焚いてみるか?」「あたし、何も持ってない。あんたは?」「あるとも」——山羊の番をする少女のもとに、どこからともなく現れた14歳の少年。風の強い丘の草地、赤い燐マッチで火を熾した二人は隣どうし寝そべり、小石なみにカチカチのチーズを炎でとろりとさせパンにぬって食べる……。夕暮れどきの情景が、香りと音をともない彩り豊かに立ち現れる(表題作「パストラル」)。規範的なフランス語と異なるスイス・ロマンドの地理に即した文学言語をもちい、恋、老い、農家のくらし、山の民話など、人間と、人間を取り巻く世界の根源的な姿を映し出す20作品。
目次
パストラル
農村の年寄り
湖の令嬢たち
日照り
使いの者
居酒屋の老人たち
香具師一家の休息
助けを求めて
野生の娘
山にひびく声
フォリー姿の物狂い
森での一幕
眠る娘
恋
三つの谷
田園のあいさつ
漁師たち
ぶどう作り
恋する女の子と男の子
農家の召使い
ISBN:9784885880971
。出版社:東宣出版
。判型:4-6変
。ページ数:295ページ
。定価:2100円(本体)
。発行年月日:2019年06月
。発売日:2019年06月26日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB。