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いやな感じ

著:高見 順

紙版

内容紹介

アナキズム。テロリズム。エログロ。ファッショ。亜細亜。そして戦争。
躍動する魂。ディープなスラング。
これは前史なのか、あるいは現在の私たちなのか?

関東大震災後、虐殺された大杉栄の復讐に失敗したアナキスト・加柴四郎。「生の拡充」を希求して夜の町を彷徨し、ファシストや軍と結託。韓国や上海での要人暗殺に加担すると、やがて日中戦争へ……。
最後の文士・高見順、畢生の長篇小説に、「北一輝・大魔王観音」「革命的エネルギー」など、スピンオフ3編を併録する。

書き下ろし解説=栗原 康

目次

第Ⅰ部  いやな感じ
 
 第1章 
 その一 魔窟の女
 その二 支那浪人
 その三 黄色い血
 その四 コップの液体
 その五 砂むぐり
 その六 思想落後
 その七 若い不能
 
 第二章
 その一 投爆者
 その二 京城の猫
 その三 練兵場の犬
 その四 枝豆くさい指
 その五 暴動計画
 その六 豚箱の羅漢
 その七 精神的めまい
 その八 生への狼狽
  
 第三章
 その一 北の果て
 その二 雪中放牧
 その三 ヨーヨーの頃
 その四 走狗
 その五 戦争好き
 その六 銃殺前後
 
 第四章
 その一 痛快な破壊
 その二 公然の暗殺
 その三 悪時代
 その四 保険的背心
 その五 二挺の匣槍
 その六 過去の中の現実
 その七 いやな感じ
 

第2部  エッセイ/短篇
 
「いやな感じ」を終って

 革命的エネルギー――アナーキズムへの過小評価

 大魔王観音――北一輝
 

  解説:いい感じ 栗原康 

  解題:『いやな感じ』とその周辺

著者略歴

著:高見 順
1907年、福井県に生まれ、1965年、千葉県に没する。小説家、詩人。
本名、高間芳雄。
高校時代にダダイズムの影響を受け、東京帝国大学文学部時代にはプロレタリア文学運動に加わる。
1935年、『故旧忘れ得べき』で第1回芥川賞候補。1941年、陸軍報道班員としてビルマに徴用。戦後も、小説、エッセイ、詩とジャンルを問わず活躍した。
主な作品に、『如何なる星の下に』(人民社、1936)、『昭和文学盛衰史』(文藝春秋新社、1958)、『激流』(第一部、岩波書店、1963)をはじめ多数。
ほかに『高見順日記』(正続17巻)、『高見順全集』(全20巻)がある。

ISBN:9784907986575
出版社:共和国
判型:菊判変
ページ数:424ページ
価格:2700円(本体)
発行年月日:2019年06月
発売日:2019年06月26日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ