きょうはなき虫
著:たけがみ たえ
紙版
内容紹介
「マンボウひまな日」(絵本館)や「ふくろうのオカリナ」(理論社)で大注目の若手作家たけがみたえさんがお話の創作に初挑戦!
クワガタは、月の光をひとりじめしたくて、みんなに意地悪して大威張り。ところがある日、カブトムシに相撲で投げ飛ばされすっかり弱虫に。何日も一人ぼっちで過ごしていましたが、満月の夜みんなが楽しそうに遊んでいるのを見て泣き出してしまい…。
意地をはってなかなか素直になれない時。何気ないほんの一言であっという間に仲良くなれることもありますね。子どもの同士でもよくあるこんな様子を大人気の虫たちをたくさん登場させて表情豊かに描いています。学童保育で働いていた、たけがみさんの子どもたちへのあたたかい眼差しが伝わってくる絵本です。
たけがみ たえさんの木版画は、一枚の版木を少しずつ彫っては異なる色で刷って多色刷りしていく掘り進み版画の技法で作画しています。明るく美しい色の重なりとダイナミックな絵柄で、夏の夜の虫たちを生き生きと描いています。