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現代哲学のキーコンセプト 確率

著:ダレル・P.ロウボトム
訳:佐竹 佑介

紙版

内容紹介

受ける手術の失敗確率,火星に生命が存在する確率,賽の出目の確率….「確率」の意味はみな同じ? 対話形式を交えた臨場感あふれる講義スタイルで,近年の文献にもふれつつ,確率の考え方と主な解釈を平易に解説する.

目次

はじめに

1 確率――二面的な生活の手引き?
 1.1 なぜ確率が問題になるのか
 1.2 確率の2つの側面
 1.3 一元論か多元論か
 1.4 ラプラスの悪魔――ある思考実験
 1.5確率の諸解釈――手はじめの分類

2 古典的解釈
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3 論理的解釈
 3.1 条件つき確率の簡単な入門
 3.2 論理的確率とは何か
 3.3 論理的解釈における条件つき確率と条件つきでない確率
 3.4 論理的可能性と信念
 3.5 論理的確率を測る
 3.6 論理的解釈の問題点
 3.7 部分的含意 vs.部分的内容
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4 主観的解釈
 4.1 ダッチブックと賭けでのふるまい
 4.2 ダッチブック論証の問題
 4.3 確率の測定と「信念の度合い」
 4.4 賭けのシナリオの代替案――採点ルール
 4.5 主観的解釈への反論
 4.6 主観的一元論と独立性
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5 客観的ベイズ主義
 5.1 信念の度合いへのさらなる制限
 5.2 客観的ベイズ主義の実際――さらなる実例
 5.3 客観的ベイズ主義は確率の解釈なのか?
 5.4 客観的ベイズ主義への反論
 5.5 客観的ベイズ主義 vs.論理主義
 5.6 主観主義から客観的ベイズ主義へ――解釈のスペクトル
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6 集団レベルの解釈
 6.1 集団のダッチブック
 6.2 集団のダッチブックと合理性
 6.3 間主観的見解――ギリースによる集団の信念の度合いと意見の一致
 6.4 代替案――賭け比率を用いることについての意見の一致
 6.5ギリース vs.ロウボトム
 6.6 間主観的確率から間客観的確率へ――新たなスペクトル
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7 頻度説
 7.1 有限の経験的な集まりと現実の相対頻度
 7.2 無限の経験的集まりと現実の相対頻度の極限
 7.3 仮説的頻度説とフォン・ミーゼスの相対頻度解釈
 7.4 経験的法則――安定性とランダム性
 7.5 仮説的頻度説に対する初歩的な反論
 7.6 仮説的頻度説へのさらなる批判――単称事例,参照クラス,系列順序
 7.7 簡潔な共感的結論
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8 傾向性解釈
 8.1 傾向性としての確率
 8.2 単称事例の傾向性(ポパー)
 8.3 単称事例の傾向性 vs.長期的傾向性
 8.4 単称事例と長期的傾向性――その関係性は?
 8.5 参照クラス問題再び
 8.6 単称事例の傾向性としての確率に対する最後の反論――ハンフリーズのパラドックス
 8.7 傾向性についての簡単な結論
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9 誤謬,パズル,パラドックス
 9.1 ギャンブラーの誤謬と平均値の「法則」
 9.2 基準率の誤謬
 9.3 逆転の誤謬
 9.4 連言の誤謬
 9.5 モンティホール・パラドックス
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10 人文学,自然科学,社会科学における確率
 10.1 確証理論
 10.2 メンデルの遺伝学
 10.3 ゲーム理論
 10.4 量子論
 10.5 最終幕
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付録A 確率の公理と法則
付録B ベイズの定理


参考文献
日本語参考文献
解説 確率のリアリティ……………一ノ瀬正樹
訳者あとがき
索 引

ISBN:9784000613460
出版社:岩波書店
判型:A5
ページ数:240ページ
定価:2400円(本体)
発行年月日:2019年06月
発売日:2019年06月19日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PDZ
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:PBT