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WAC Bunko

だから、論語を学ぶ

著:渡部 昇一
著:谷沢 栄一

紙版

内容紹介

こんなに読みやすく、よく分かる!

「知の巨人」の二人の結論

人生で大切なことはみんな論語が教えてくれた!



「この本は読後感が大変さわやかで、心が洗われるような気がする。自信を失って浮遊状態にある日本人にとって、孔子の『論語』と、渡部・谷沢両先生の本書の教えは最高の人生指南だと思う」(日下公人「解説」より)


●社会生活をきちんとしていれば教養は自ずからつく

●友だちになろうと思われる人間になれ

●自分より劣った者を友にする人は成長しない

●人生とは八割以上が待つことである

●偽善のメッキは必ず剝げる

●「信」がなければ何事もなし得ない

●賭博の借金は必ず返すのが紳士の条件

●これだけは許せないという基準を持つ

●露骨な批判を嫌う日本社会の雰囲気

●実力があれば隠れたままで終わることは考えられない

目次

プロローグ 『論語』の魅力

『論語』の凄み──谷沢

座談の中で触れた『論語』──渡部

中島敦の『弟子』にあらわれた孔子の姿──谷沢

カントと通じる孔子の理性──渡部



1 余力

親を養うということ──渡部

社会生活をきちんとしていれば教養は自ずからつく──谷沢



2 改心

寒風吹きすさぶ中に立つ決意──谷沢

友だちになろうと思われる人間になれ──渡部

自分より劣った者を友にする人は成長しない──谷沢

過ちを改めた清水幾太郎の態度──渡部

過ちを改めた者に対する非難の論法──谷沢



3 距離

友と付き合う二つの態度──谷沢

媚びる恭しさは辱められる──渡部

媚びる態度は利己主義から出てくる──谷沢



4 待つ

人生とは八割以上が待つことである──谷沢

昼行灯で終わる覚悟──渡部

人の危うさを知り、信用できる者を見分ける力──谷沢



5 評価

最終的に世間は自分を見てくれる──谷沢

偽善のメッキは必ず剝げる──渡部

欠点を匿そうとするところに偽善が生じる──谷沢



6 大物

「器」の人と「器」でない人──渡部

「器」の人の限界──谷沢



7 学ぶ

頭にはめられた箍をはずすことが必要だ──谷沢

お手本となる河合栄治郎の勉強法──渡部

思い込みの燃料は功名心という汚い根性──谷沢

大学で学ぶ意味の一つは謙遜を知ることにある──渡部



8 信用

「信」がなければ何事もなし得ない──谷沢

金を誤魔化さなければ極貧に陥ることはない──渡部

賭博の借金は必ず返すのが紳士の条件──谷沢

借金返済に出てくる日本の国民性──渡部



9 批判

これだけは許せないという基準を持つ──谷沢

「一視同仁」は人間にできるものではない──渡部

露骨な批判を嫌う日本社会の雰囲気──谷沢



10 利益

商取引の根本は相互利益である──谷沢

自分の利ばかりを図ると怨みを買う──渡部

官僚は民間をいじめて音を上げさせたあと、利を持って天下る──谷沢



11 世間

人は人を認めたがっているものだ──谷沢

実力があれば隠れたままで終わることは考えられない──渡部

世間は人を探している──谷沢



12 運

この世には人力で防げない悪運がある──谷沢

運命のうちの何割かは理に合わないことが起こる──渡部

努力しても駄目な場合は、運が悪いと思ってあきらめろ──谷沢



13 楽しむ

楽しむ者は心が広く温かい──谷沢

「オタク」は「好む人」にすぎない──渡部



14 学者

理想の学者像とは何か──渡部

知ったことを嚙みしめて味わう境地──谷沢

本当の読書家の資格──渡部



15 自信

「自信」には思わぬ幸運を引き寄せる力があるかもしれない──渡部

人間の智恵など小さいものだ──谷沢

孔子を大きく感じさせた言葉──渡部

マイナス感情を起こす余地のない考え方──谷沢



16 吝嗇

ケチは人間好きの要素が欠落している──谷沢

貧乏でもケチにならない生き方がある──渡部

人付き合いを育む心──谷沢



17  師

君子のイメージ──渡部

縁ある者に親切にする──谷沢

学校以外で触れ合う師を持つ──渡部



18 信頼

政治の根本は「計算」でなく「感情」である──谷沢

「信頼」が崩れたとき、政治は成り立たなくなる──渡部

「空気」におもねる日本の政治家──谷沢

邪悪な光に頼って出てきた二世議員たち──渡部



19 志

志を売らずに生きて栄えを得た人──渡部

五十年を耐えて生き抜いた人への尊敬──谷沢

怪しげな道にわざわざ入らない生き方──渡部



20 融通

「四つの勿れ」の戒め──谷沢

「上善は水の如し」に通じる精神──渡部



21 時間

時間には二つの種類がある──渡部

時間に負けないための智恵──谷沢

時間に負けないものは何か──渡部



22 熟成

人生の芽、穂、実の三段階で評価する──谷沢

駄目なら三年でクビを切るアメリカの大学──渡部

血で血を洗う競争の生産性──谷沢

早熟を讚えるのはいかがなものか──渡部

若いときの印象が強すぎることで起こる錯覚──谷沢



23 若さ

「畏友」の正しい使い方──谷沢

四十代で世に聞こえない人が大きな仕事をするのは難しい──渡部

若いころからこつこつと積み重ねることが大切である──谷沢

四十歳になると自分の価値は下がると思え──渡部

問題意識の差が能力に出てくる──谷沢



24 理想

著者略歴

著:渡部 昇一
渡部昇一(わたなべ・しょういち)

上智大学名誉教授。英語学者。文明批評家。昭和5年(1930年)、山形県鶴岡市生まれ。上智大学大学院修士課程修了後、独ミュンスター大学、英オクスフォード大学に留学。Dr. phil., Dr. phil. h.c.(英語学)。第24回エッセイストクラブ賞、第1回正論大賞受賞。

著書に『英文法史』などの専門書のほか、『知的生活の方法』(講談社)、『「日本の歴史」①〜⑦』『読む年表 日本の歴史』『渡部昇一 青春の読書』『古事記の読み方』『万葉種のこころ 日本語のこころ』(ワック)などの話題作やベストセラーが多数ある。2017年4月逝去。
著:谷沢 栄一
谷沢永一(たにざわ・えいいち)

関西大学名誉教授。1929年、大阪市生まれ。関西大学大学院博士課程修了。専門は日本近代文学、書誌学。社会評論にも幅広く活躍。サントリー学藝賞、大阪文化賞、『文豪たちの大喧嘩─鷗外・逍遙・樗牛』で読売文学賞受賞。

著書に『完本・紙つぶて』『百言百話』『回想 開高健』『人間通』『歴史通』など多数がある。2011年3月逝去。

ISBN:9784898317952
出版社:ワック
判型:新書
ページ数:280ページ
定価:920円(本体)
発行年月日:2019年06月
発売日:2019年06月07日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QDHC
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:QDX