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子どもの虐待とネグレクト 21巻1号

特集:子どもの保護・社会的養護における子ども・若者の当事者参画とアドボカシー

編:日本子ども虐待防止学会

紙版

内容紹介

我が国の子ども家庭福祉の領域では,子どもや若者の「参画」が立ち遅れてきた。本特集では,こうした実態を真摯にふりかえり,子どもの権利擁護やアドボケイトという視点から,子どもの声を聴くことについて,改めて考えたい。そして,子どもや若者たちをケアの受け手として受動的な存在に留めるのではなく,子どもや若者たちを自らが受けるケアの決定・評価・変革に参画する能動的な存在として捉え直す。その上で,我が国において,子どもの保護制度や社会的養護制度の関連制度の改革に向けて当事者が意見を表明し,制度設計に「参加・参画」できる仕組みをつくり,今後の制度や体制の確立を目指すきっかけとしたい。

目次

■巻頭言
虐待を受けた子どもの声と虐待対応システムの抜本改革(安部計彦)

■特集 子どもの保護・社会的養護における子ども・若者の当事者参画とアドボカシー
特集にあたって(永野咲・藤林武史)
日本における当事者参画の現状と課題(永野咲)
日本における社会的養護当事者活動の15 年と課題――CVV の歩みから――(中村みどり)
「新たな当事者」の登場とこれからの当事者参画(川瀬信一)
当事者参画に力をそそぐ――子ども家庭福祉システムを愛情に基づいたものに変革するために――(アイデ・クーザ)
イギリスのアドボカシー制度と国内における訪問アドボケイトの取り組み(栄留里美)
社会的養護の当事者の「声」――施設等退所後に困難な状況にある当事者に焦点をあてて――(長瀬正子・谷口由希子)

■〈連載〉各地の取り組みから学ぶ
「NPO 法人だいじょうぶ」における支援活動(畠山由美)

■〈連載〉子ども虐待の「今」
被虐待児の法医診断学(長尾正崇)

■〈連載〉映画にみる子ども虐待
是枝裕和監督が描く恥辱と家族――「誰も知らない」から「万引き家族」へ――(杉山春)

■研究報告
乳児の泣き声に対する両親の情動反応(大澤ちひろ・宮本信也)

■活動報告
医療ネグレクトに対する看護師の家族支援(木下笑香・上甲貴江・槙田直美・他)
児童養護施設における被虐待児へのSST(ソーシャルスキルトレーニング)の実践――人づきあいスキルと感情のコントロールスキルの獲得にむけて――(服部隆志・良原果林・福井智子・他)

■ブックレビュー
岩志和一郎編著『児童福祉と司法の間の子の福祉』(岩城正光)
マーク・スミス・他著/楢原真也監訳『ソーシャルペダゴジーから考える施設養育の新たな挑戦』(森茂起)
平井正三・西村理晃編/認定NPO 法人子どもの心理療法支援会(サポチル)著『児童養護施設の子どもへの精神分析的心理療法』(西澤哲)
増沢高著『ワークで学ぶ子ども家庭支援の包括的アセスメント』(星野崇啓)

ISBN:9784753340552
出版社:岩崎学術出版社
判型:B5
ページ数:128ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2019年05月
発売日:2019年05月29日