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文庫クセジュ

ヨーロッパとゲルマン部族国家

著:マガリ・クメール
著:ブリューノ・デュメジル
訳:大月 康弘

紙版

内容紹介

最新の研究成果を踏まえた一冊

 1世紀から7世紀に定住したゲルマン人諸部族は、ローマ帝国と政治や文化の交流を重ねながら、独自の歴史を刻んだ。彼らは、今日のヨーロッパ世界を担う人びとの祖先といえるだろうか。本書は、19世紀以来の学問発展を踏まえ、研究の最新成果に立ち、古代末期から初期中世のゲルマン人諸部族の動勢に的確な展望を与える。
 ギリシア・ローマ世界との接触、文明世界がみた「蛮族の国(バルバリクム)」に関する記述とその記述のあり方、後期ローマ帝国の諸部族の平和的定住、西ローマ帝国消滅後の自立的な部族国家の建設など、中世ヨーロッパ社会の根底における社会変容の諸相を紹介する。
 現代ヨーロッパの基礎をかたちづくったとされる中世世界の基礎文化論にも論及し、最新の研究成果を盛り込む。流動化する現代ヨーロッパの理解にも大きな示唆を与えるだろう。

著者略歴

著:マガリ・クメール
【マガリ・クメール】ブルターニュ大学准教授。古代末期から初期中世への移行論を中心に活躍する。諸部族の移動、定住、民族アイデンティティ、文化形成、文化表象に関する論文多数。主著:Origines des peuples. Les récits du Haut Moyen Âge occidental(550-850), 2007。【ブリューノ・デュメジル】パリ第10大学ナンテール校准教授。初期中世ヨーロッパ世界の宗教・文化史を専門とする。また、王、貴族、女性に関する著書、論文も多数。主著:Les Racines chrétiennes de l’Europe. Conversion et liberté dans les royaumes barbares, ve-viiie siècle, 2005。
訳:大月 康弘
1962年生まれ。1985年一橋大学経済学部卒。経済史、西洋中世史、ビザンツ学専攻。現在、一橋大学大学院経済学研究科教授。主要著訳著に『帝国と慈善 ビザンツ』(創文社)、『ヨーロッパ 時空の交差点』(創文社)、ピエール・マラヴァル『皇帝ユスティニアヌス』(白水社文庫クセジュ)、ベルナール・フリューザン『ビザンツ文明』(白水社文庫クセジュ)がある。

ISBN:9784560510285
出版社:白水社
判型:新書
ページ数:178ページ
定価:1200円(本体)
発行年月日:2019年05月
発売日:2019年05月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHD